そこでじいさまは竹を火から下ろし、底を下に地べたにドスン、ドスンとつくとまた火に掛けて弱火でゆっくり炊いた。こうして米が炊き上がるとじいさまは二枚の竹の皮を取り出し、熱く焼けた竹を鉈で割って中から太い棒状になったご飯をそれぞれ竹の皮に載せ、皮を両手にとってばあさまと仲良く出来たてのご飯を食べ始めた。
ちょうどこのとき、二人の狩人が近くを通りかかり、小屋から何かを食べ物を作るための煙が昇っていたので、二人はたまらなくなり、のどが渇いたので茶でも飲ましてもらうため小屋に入っていった。で、小屋の中は出来たてのご飯の香りが鼻をつき、ふと見ると二人の年寄りがそれぞれ熱々の白い棒状のものをうまそうに食べていた。
急に二人の知らない狩人風の者が小屋に入ってきたのでじいさまとばあさま驚いたが、それよりも先に狩人か聞いた。
「じいさまよ。そのレンコンはどうしてそんなにいい香りがするのかね?」
「こりゃあ、レンコンじゃないよ。これは米の飯さ」
じいさまはこういうと、棒状のご飯を二人の狩人に手渡した。
これに驚いた二人の狩人、ちょうどお腹もすいていたので、早速かぶりついた。
「うむ。これはうまい。おう、兄弟よ。こんなうまいご飯食べたことないな?」「そうよ。ほかほかでなんか竹の香りがしみこんでいるようだ。うん。こりゃあ、うまい」
「このうまさじゃあ、ご飯だけでも腹いっぱいだべられるな。おかずなんかいらねえぜ」
こうして二人の狩人はじいさまからもらった竹ご飯を食べ終わったが、どうもものたりない。そこで自分たちが持っていた米で、もう一度これで作ってくれとじいさまに頼んだので、気のよいじいさまは、またも二人のために飯を作った。狩人はうまいr竹ご飯を腹いっぱい食べ、そのつくり方をも教わり、村に帰ってみんなに教えたことから、地元ではおいしい竹ご飯を作る人が増え、そのときからダイ族の人々はめでたい日やお祭り時にはおいしい竹ご飯を作ってお客さんなどに出したそうな。
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