今日は、中国は西南部雲南省のシーサンパンナにある景洪に集まり住むジノー族に伝わるお話です。
このジノー族の祖先は三国時代の諸葛孔明の軍隊に取り残された家来であったという伝説があるそうですが、ジノー族は、稲作したり、トウモロコシ、豆類を栽培したり、狩を行ったりすることで昔は生計を立てていました。人口は1万9000人近くだということで、言語は チベット・ビルマ語派のジノー語を話します。私にははっきりしませんが、 ジノー族が中心として住む雲南省景洪県は有名な普耳茶の産地でもあることぐらいは知ってます。ごめんなさーい。
で、その昔話とは「二人の兄弟とよぼよぼ爺さん」
昔は毎年の秋の収穫前に、ジノー族の人々は、稲田からいくらかの稲の穂を取ってきて先祖様に供え、その年の新米をみんなで味わうのだが、これをジノー族では「新米まつり」という。これには次のようないわれがあったそうな。
それは、むかし、むかし。ジノー山には二人の兄弟が住んでいて、家は貧しく、まいにち山芋を掘ったり、山菜をとり、それを煮て食べ、飢えをしのいでいたそうな。
この兄弟の親は早くに死に、家には一匹の犬がいて、いつも兄弟の供をしていた。
と、ある日、犬はどうしたことが朝早くから姿を消し、夜遅くなっても帰ってこない。そこで心配した兄弟は探しに出かけた。二人は犬の名を叫びながらどんどん進み、いくつもの山を越え川を渡っても、犬は見つからなかった。途方にくれた二人は仕方なく疲れた体を引きずるように家に戻り、その日は食べるものもかなったので、二人は憂鬱な気持ちで寝てしまった。そして数日が過ぎたある朝、家の外から犬のほえる声するので、慌てておきた兄弟が急いで出て行くと、犬はワンワンと吠えながら尻尾を振り、寄ってきた。喜んだ兄弟は早速煮ておいた山芋を犬に食べさせると、犬は山芋をおいしそうに食べながらも、後ろを向いて吠えている。
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