ではここで、西北部に集まりすむウイグル族に伝わる利口者のアファンティーの話です。
まいりましょう。題して「これしかない」
アファンティーには意地悪なとなり人がいた。この男、いつもアファンティーを嫌がらしようとするのだが、失敗ばかり。でも負けず嫌いなので嫌がらせを続ける。
この日もとなり人は、アファンティーが出かけていくのを待ち構え、話しかけた。
「おう!アファンティーさんよ。今日はどこへ出かけるんだい。それより相談したいことがあるんだけどよ」
「なんだい?今日も変な問題吹っかけに来たんだろう?」
「いやね。困ったことがあってね。あんたに何とかしてもらおうと早くから待てたんだぜ」
「なんだよ。どうせくだらないこと持ち出して私を困らせようというんだろう」
「いやいや、そんなことはもうしないよ」
「じゃあ、なんだい今日は?」
「実はね。昨夜おいらは寝る前にねずみ一匹のみこんじゃったのさ!」
「なんだと?ねずみをのみこんだ?ほんとか?」
「そうなんだよ。だから腹の具合が昨夜から悪くてね。我慢できないから、あんたに何とかしてもらおうときたんだよ」
「ねずみね?」
「どうだい?いい考えはないかえ?ひひひ。なんとかしてくれよ」
アファンティー、少し考えたが、すぐに答えた。
「そりゃあ、これしなないね」
「どうすりゃあいいんだい?」
「ねずみを腹から追い出すため、猫を飲み込みな!」
「ええ!!」
なるほどね!!
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