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林涛のゴーゴー話:中国西南部にすむハニ族
   2005-06-23 10:09:31    cri

 今日の「ゴーゴー話」、中国西南部にすむハニ族を簡単にご紹介しましょう。

 ハニ族の人口は125万人あまり。その中、雲南省には124万8000いて、主には紅河と瀾滄江の中間地域に住んでいます。ハニ族には古い歴史があり、その源はイ族やラフ族と同じく古代の羌人に属したそうです。ここでいう羌人とはもともと青海チベット高原の遊牧民族で、一説では、はじめは黄河の上流中流地区で活動していたのが、紀元前770年から476年前のかの春秋戦国時期に、一部の羌人が河西回廊を経て祁連山、崑崙山に沿って西に移り、新疆に足跡を残したということです。随分と歴史が古いですね。驚きました。で、ハニの言葉は、漢・チベット語系、チベット・ミャンマー語派、イー族の言葉に属すると本に書いてありますが、何のことやら分かりません。また哈雅、碧触、豪白のという3つの方言に分かれているんですって。どうせどれも何の言葉か分かりませんが、どうもすみません。実はハニ族にはもともと文字がなく、1957年にローマ字を基礎としての表音文字がつくられたそうです。ハニ族は多くの神を信奉し、祖先を信奉しているんですよね。それにハニ族の人々は居住地域の違いによって多くの呼称があります。たとえば「哈尼」、「愛尼」、「豪尼」、「触多」、「碧約」、「白宏」と呼ぶ場合が多く、昔の本にはの記「和蛮」、「和泥」、「窩泥」、「俄泥」、「哈泥」、「阿泥」などと称していたらしいんです。ちょっと呼称が多すぎますよね。何がなんだか分からなくなります。

 ハニ族の人々は多くが海抜1000メートルから2500メートルの山間地帯に住み、家屋は木造で、泥を塗った壁に平らな天井や両側が斜めに落ちる屋根のものがあります。人々は主には農業に従事し、またお茶の栽培の歴史は古く、雲南省のお茶の産出量の3分の1はハニ族の人が植えたんですって。

 で、ハニ族の服飾は?いものや青いものが多く、彩色の縁を取ってるんですよね。男性は、普段は前開きの上着とズボン、それに?か白の、あれは頭巾でしょうか。それで頭をくるんでいます。年長者は帽子をかぶるのが好きで、女性は銀貨、銀のくさり、それに中が空の玉で飾っています。また紅河地区には、ハニ族である中国語でいう「奕車人」が集り住んでいます。これはこの番組の主な担当者の王燕燕さんが特にその女性に注目したんですが、次のようなものです。紅河地区に住むこれら「奕車人」の女性は、白い三角形の帽子をかむり、短い半ズボンをはいているんです。つまり熱いところで水稲を栽培しているので、半ズボンをはき動きやすいようにしてるんですって。またこの「奕車人」のはいているのは日本の下駄に似ているので、日本の観光客が驚いたようですね。へー?私も日本生まれですから、一度は「奕車人」にあってみたいですね。

 さて、ハニ族は火を崇拝してましてね。火を各家庭の命とみなし、囲炉裏の火は決して消さないんですよ。消えたらおしまいだと思っているんでしょうね。また、猟の獲物をみんなで分ける習慣があり、獲物が多くても少なくても、同じように分け与え、あまり少ないときなどは、1つの鍋で煮て各家庭に少しづつわけるんだそうです。そして村に入るとき、上着はまとうのではなくちゃんと着ていなくてはならず、囲炉裏の火で靴を乾かしたりしてはいけないそうです。それにハニ族は客好きでしてね。お客さんが来れば、必ず米で造ったお酒を出し、まずは三切れの煮た肉を出し、次にいろいろと料理を出して、お客さんが帰るときは、大きなオニギリみたいなものと、芭蕉の葉で包んだ肉の塩漬け、豆腐の団子などを送ります。いいですね。この林涛もいつかは客人としてハニ族の村へ行きますよ。あれ?脱線しそうになりました。ごめんなさ~い!

 さらに、ハニ族はお年寄りを尊敬し、子供を大事にしましてね。知人にしても、そうでなくても道で出会ったら、いつも笑顔で迎え、親しく安否を問うらしい。もちろんお年寄りは到るところで尊敬され、面倒を見てもらえます。家で普段は、息子と嫁、そして孫と孫娘は必ずお年寄りに一番いい食べ物を差し出し、食事する時もお年寄りが上座に座るんですね。このほか、村の祝日や会食の際には、その村の最年長者に真っさきに料理などを食べてもらう。また、どこかの家が豚を殺したら、かならず、その村の年長者を招待します。それにね、お年寄りの前で若者はなんと、足を組むことができない。でないと、礼儀を知らないと思われるんですよね。次にハニ族の食生活ですが、主食はお米、時にはトウモロコシを食べます。つまりお米とトウモロコシのご飯以外に、うどんやパンみたいにするんですね。シーサンパンナに住むハニ族は、みじん切りにした肉と米を煮てお粥にし、味をつけて野生の果物を混ぜて食べるらしいですね。副食は肉と地元で取れる野菜。調味料は生姜、ニンニク、唐辛子、薄荷など。特に大豆を発酵させた、日本の浜納豆のようなものはいつも欠かせないんですって。またハニ族はお茶とお酒が好き。料理は色々あるようですが、ここでは省きましょう。それに婚姻などにも色々習慣があるようですがあまりにも多すぎるので、王燕燕さんからいつか紹介があると思いますよ。彼女に任せます。

 ではここでハニ族の昔話を1つご紹介しましょう。題して「お日様と雄鶏」

 むか~し、むかし。空には九つのお日様があったので、大地はものすごく熱く、作物は出来ぬばかりか、草や木も生えず、人々は九つもあるお日様を何とかできないものかと困り果てていたそうな。

 「大きな箕(み)でお日様をかぶせれば、熱くなくなるわい」とある者がいうので、それはいいとみんな賛成したが、そんなに大きな箕があるはずがない。「みんなして山の洞穴へ移ろう」と誰かが言うので、いい考えだと思ったが、食い物はどうするということになりやはり諦めた。みんなが困っていると一人が言う。「みんな、オププロを知ってるじゃろ?彼は力持ちで矢を射るのか上手だ。彼に頼んでお日様を射落としてもらおう」。これにはみんなが賛成。実はオププロは高い山の洞穴に住んでいて、体が大きく、大の力持ちである上、弓が上手。いつも裸足でモジャモジャの毛を生やし、黒い睫毛の下に大きな目をつけている。彼は頼もしいと人々は使いを出した。

 さて、こちらオププロ、使いのものの話を聞くと大笑い。「ははは!これは大仕事だぞ。そう簡単にはいくまい。だか。みんなの頼みとあらば、やってみよう」ということになり、オププロは外に出て大きな弓を引き,矢を載せると、空に向ってヒュー!ヒュー!ヒューと八本はなった。すると、天に昇っていた八つのお日様が、相次いで落ちてしまい、残る一つも、「これはいかん」とあわてて遠くの山陰に隠れてしまった。みんなはこれを見て大笑いし、これで涼しくなるぞと喜び、オププロを褒めちぎったが、そのうちに気温が下がりだし、「お日様が出なくては作物も育たんぞ!」とみんな慌てだした。

 「何とかしてあの隠れてしまったお日様に出てもらわんとな」。「誰かに説得に言ってもらおう」ということになったが、誰を使いに出したらいいかでみんな考え込んでしまった。そこで、1人の老人が言う。「どうじゃ?鳴く声がきれいな鳥に行ってもらっては?」。これにはみんな同意したが、声がきれいな鳥といえば、ウグイス、ヒバリとガビチョウなど・・・。

 そこでみんなはまずウグイスを呼んだ。ウグイスはこの世で一番の歌い手なのでみんなの頼みをあっさり引き受けた。こうしてお日様が隠れた山の近くで歌いだしたが、お日様は出てこない。「こりゃいかん」とみんなはヒバリを使者に出した。ヒバリも素晴らしい声で得意になって歌いだしたが、なんとお日様は知らん顔。

 そこでみんなはガビチョウに頼んだ。こうしてガビチョウは得意の歌声でお日様に出てくるよう頼んだがこれも駄目!

 これには困ったみんな、考えた挙句、まだら模様の毛色が鮮やかな雄鶏を使いに出そうということになった。「雄鶏は鳴き声はあまりよくないが、声はまあまあだし度胸がある。仕方がないから雄鶏にいってもらおう」と年寄りたちが言うので早速雄鶏を呼んできた。こちら雄鶏、体は他の鳥たちより大きいが、遠慮がちなので、その友達のすずめたちは「おいらたちも一緒に歌うよ」と励ます。そこで雄鶏は何とか引き受け、お日様が隠れた山の近くへ行き、はばたいたあと、頭を持ち上げ、首を伸ばし、山に向って鳴き始めた。これを聞いたお日様、「これは誰だ?声はあまり良くいないが、真心こめて鳴いているぞ。さて、でようかな~。しかし出た途端に矢で打ち落とされたのでは・・」と迷った。こちら雄鶏、二回鳴いてもお日様が出てこないので、三度目の正直と今度は顔を真っ赤にして鳴き、手伝いに来た雀たちも声を合わせて鳴き出した。

 これを耳にしたお日様、「これなら大丈夫」と山の陰から顔を出したので、大地には光が戻り、気温も暖かくなった。

 このときから、お日様は雄鶏が三度鳴くと、顔を出しはじめたそうな!!おしまい!!

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