ところで、中国国際放送局(北京放送)局舎のある「八宝山」地区は、北京で名の知られた墓地のある地域でもあります。ここには、八宝山革命公墓、八宝山人民公墓を始め、老山公墓、老山納骨堂などもあるため、例年同様、一年の間で最もにぎやかな季節を迎えました。
先週の土曜日(28日)は、ぽかぽかした快晴の日でした。良い気候に恵まれ、朝早くから、地下鉄八宝山駅の周りは墓参客でにぎわっていました。人の流れが滞りなく移動できるよう、誘導のアナウンスが流れ、いつもと違う雰囲気がありました。地下鉄と墓地を結ぶこの期間中のみ運行するマイクロバスもあり、1元で入り口まで運んでくれます。
北京の墓参りの「表情」を見てみたく、昼下がり、私は「八宝山革命公墓」に入ってみました。ここは、新中国の創立や国の建設に貢献した功労者たちが葬られています。
墓地の中は緑が茂っていて、鳥のさえずり声が聞こえてきました。カササギたちはすっかり「自分たちの王国なのだ」とでも言うように、人の気配を警戒することもせず、枝から枝へと傍若無人に飛び移っていました。
整然と並ぶ墓地の中を歩くと、偶然にも、中学時代から国語の教材で馴染んでいる詩人聞一多(1899-1946)の墓の前に来ました。かわいらしい、ピンクのバラの花たばが置かれていました。
中国の伝統的なしきたりでは、墓参りには供養の品々を並べ、酒を地面にまき、紙銭を燃やして供養する習慣がありました。今では紙銭を燃やすことは山火事防止のためもあり、禁止となり、主な行事というのは、墓をきれいに清掃し、花束や花かごをささげて供養することになりました。また、墓碑の字が消えないよう、筆に墨や金粉を含ませて、きれいになぞる人もいます。
革命公墓の奥へと進み、四合院風の納骨堂の一軒に入ってみました。静かな回廊の突き当たりに、一本のもくれんが満開となり、ハスの花のような白い花びらを静かに地面に落としていました。心が落ち着く空間でもありました。
ちなみに、北京市には88の墓地があり、28日に、全部で37万人人が墓参りに訪れ、この中、八宝山地区に来た人は4.4万人だったそうです。清明節は、去年から国民の休日に指定されたため、今年の墓参りのラッシュは、4月4日~6日の三連休だと見込まれています。八宝山地区を訪れる人も、この間では、毎日10万人以上に達する見込みです。
北京市はこの期間中専用のバス線路18本を設けました。混雑を避けるため、自家用車用の臨時駐車場を設けるほか、公共機関を利用するよう市民に呼びかけています。(写真・文:王小燕/撮影日:3月28日/ロケ地:八宝山革命公墓、紫竹院公園、北京の街頭など)
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