翔一さんの台湾生まれのカノジョを演じる張鈞甯さん
言葉がツール 伝えたい気持ちこそ一番大事
翔一さんの彼女を演じる張鈞甯さん
――今回は日本語を使っての出演でした。
今回の撮影に当たって、一番困難だったのは準備期間にあると思います。その時にもっと日本語を身につけたいと思って、五十音図から習いましたが、本当に時間がなく間に合わなかったため、最終的には現場にいる日本語の先生に撮影現場で一句一句教えてもらいました。それに、撮影が終わった夜とかに先生に録音してもらった日本語のセリフをずっと聞いていたので、実際に撮影するときはごく自然にセリフが出てきました。
――日本語で言ったセリフは、役の気持ちは伝わったと思いますか?
私は伝わったと思います。言葉というのは表現する時のツールの一つにしか過ぎず、何よりも重要なのは気持ちだと思います。私もこの気持というのは正確に理解し、気持ちを通してセリフを導き出すように意識しました。その国の人の喋る時の感情というのはいろいろあると思いますが、私もそれをなるべく理解し、自然にその気持ちに沿って表現するよう心がけました。
張鈞甯さん
――今回中泉さんのガールフレンドの役でした。
そうですね。お互いに仕事が忙しいので、撮影以外の時間で接触するのは少ないのですが、撮影に入ったらすぐにその役に入り込めて、感情のやりとりでもまったく問題がないので、役者としての能力がすごいと思いました。
――日本の役者と共演した感想は?
共演を通して、私はいろんなことを学べたと思います。倍賞千恵子さんには演技のほかにも数多くのことを学びました。
一番印象深いのは、室内での撮影の中で、倍償さんが猫と遊んでいるのを見ました。そのシーンを今でもはっきり覚えています。倍償さんというよりは、その役が本当に生きているかのように思えました。このような役作りに対するこだわりがあるからこそ、今回の撮影の中で、撮影時間が一番長い倍償さんは芝居というものに疲れを感じさせないんだなと思いました。
撮影現場の張鈞甯さん
――北京、台北、東京で仕事をしてみて、どのように感じましたか?
北京の感想は何でも大きいという感じがして、町並みも、道路も全てが大きい、でもその中に芸術性を感じました。それに歴史ある建物が数多くあります。東京の印象は、スピーディー、何もかも早いと感じました。それと東京では、ファッション的なものが生まれている印象もあります。台北は家の感じがします。暖かくて、狭いけど何か繊細なものを感じました。
――今回のように、国を跨いでの映画作りの体験をどう受け止めていますか。
私は非常に好きです。違う国の人と一緒に撮影する感覚は違ってきます。毎回違う経験を得られます。
(聞き手・整理:劉叡)
【プロフィール】
張鈞甯(チャン・チュンニン)
1982年 ドイツ生まれ。
2004年 国立台北大学法学部卒業。
2010年 国立中央大学産業経済研究、修士課程卒業。
2003年 ドラマ『心動列車』で女優デビュー。
2006年 ドラマ『ザ・ホスピタル』での主演で注目を浴びる。その後『蜂蜜幸運草』や『ブラック&ホワイト』などで出演。
2008年 映画『ビバ!監督人生!!』で台北映画祭最優秀女優賞受賞。
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