北京放送70周年のお祝いに駆けつけてくれた奥田さんは、北京放送との付き合いの中で、思い出に残った品々を持ってきてくれました。
まずは、ホッチキスで閉じてあった手のひらサイズの「会話簿」です。
1997年。62歳の奥田さんは定年退職しました。その一週間後、北京空港に降り立ちました。今回は観光客ではなく、留学生としての訪中でした。
翌年の春節は南京の中国人の家で過ごしました。数年前、北京放送の企画した旅で知り合った女性列車長とそのお友達の家族と共に春節を祝いました。「会話簿」はその時、先方が作った筆談用のノートでした。
パソコンのミレニアム問題にコンピューターウィールスとは何か、インターネットの原理、そして、いたちの毛で作った毛筆などなど、キーワードや図がたくさん書かれてあり、めくると思わず微笑んでしまいます。
奥田さんは、いまも大事に保管している手紙があります。当時、NHKの中国語講座で講師を務め、東京滞在中だった陳真さんの手紙です。ただし、宛名は「奥田正彦気付け花様へ」となっています。
花様は誰か?鉛筆の綺麗な字で2ページも綴ったお手紙の中身とは?読むと、夏目漱石の「我輩が猫である」を思い出させる文面に、陳真さんのお茶目な一面がにじみ出ていました。ちなみに、花様は猫ちゃんではありませんよ(笑)。
40年余りにわたって、篆刻を研鑽してきた奥田さん。いまも、月々の作品に写真やエッセーをつけて、メールで友人達に送っています。篆刻と電波に導かれた奥田さんと中国の人々との付き合いに、心温まるものがたくさんありました。
今回もお聞き逃しのないように。
奥田正彦さんが毎月メールで配信する篆刻作品の2011年12月作に、北京放送の藍暁芹アナが特別寄稿
(つばめ)
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