東京都日中友好協会・宇都宮徳一郎会長
祖父と父のバトンを受け継ぎ、中日友好を代々続けたい
-―宇都宮さんが日中友好協会の会長に就任されたのは今年の6月だそうですが。
そうですね。6月29日に総会で会長に選ばれました。私の祖父の宇都宮徳馬は東京都の日中友好協会の初代の会長だったのです。それは1978年のことで、私は孫としてまだ若くて力はないのですが、祖父と先輩の方々が続けてくださり、努力してくださった日中友好の長年の交流をしっかりと続けたいと考えまして、バトンを受け継ぎました。
-―お爺様の徳馬さんは日中国交正常化以前からご尽力され、日中友好のために一生を捧げたと言えます。しかし、中国は去年、日本を追い抜いて世界第2の経済体になりましたし、また3月の東日本大震災もありました。時代はずいぶん変わったと思います。宇都宮さんはお爺様、お父様と比べて、ご自身は具体的にどのように新たな中日友好事業を促進したいと思いますか?
そうですね、時代はどんどん変わってきて、祖父が始めたころは、友好活動を政治や国民が一生懸命作っていかなければならない時代だったのですが、今の時代になり、お互いに自由に交流することが可能になりました。今回のフォーラムはそういう風な自由に交流できるプラットフォームを提供してくれました。しかし、当たり前になってしまった交流をこれからもきちんと続けるためには、私たちは、貴国と日本が何のために友好関係を続けていくのかよく理解していかなければなりません。何もしないで、ただ経済、政治だけの交流では、いつかまた同じような過ちを繰り返す可能性があるかもしれません。民間交流を重視し、お互いに理解して、私たちの次の世代にも引き継げるように活動しなければならないと思います。
そして、経済面に関しては、中国との交流を望む中小企業向けの情報を発信したいと思いますね。大企業は中国での経済活動を発展させていますが、技術とノウハウがある数多くの中小企業は日本の国内だけでは発展することは難しくなっていますので、一番近くて、大きく発展している中国と一緒にコラボレーションをして、一緒に協力することは中小企業にとって大事ではないかと思っています。中小企業同士の交流をしっかりとサポートしていけるように協会は努力していきたいと考えています。
-―日本は東日本大震災の影響で大きなダメージを受けました。日本の復興再建に中国はどのような役割を果たせると思いますか。
まず第一に感謝したいのは、東日本大震災が発生した直後から、中国の国民の皆様が、金銭面でも、災害救助という面でも、多大の役割を果たしていただいて、迅速に大きな援助をいただいたことを感謝しております。震災が発生して、もう5ヶ月が経ちました。被災地の復興を含めて、日本は自分の国の中でサポートをしながら、助け合いながら、進めているのですが、近くて大きな経済発展を遂げている中国とともに被災地の復興についても具体的なプロジェクトを始めたりとか、アクションを取っていけるようになると、被災地の復興がより進むものと思います。いろいろ提携をとりながら、被災地の人々がこの困難の中で、さらにもう一度発展できるように協力できればと考えています。
-―先週、野田新首相が誕生しましたが、発足したばかりの野田新内閣の対中政策に関して、どんな期待をお持ちですか。
野田新内閣が地道にしっかりとやるべきことをやっていただきたいと思います。外交面では、アメリカとの関係を大事にしながらも、一番近い中国との関係をもっともっと深めていただくとともに、地道な交流活動をサポートしていただきたいと思います。野田首相が言うWin-Winの関係を両国の間で発展できるように、地道で、真面目な政治活動をしていただけるよう期待しております。(取材:陳博)
【プロフィール】
宇都宮徳一郎(うつのみや とくいちろう)さん
1968年生まれ。東京都日中友好協会会長。株式会社ミノファーゲン製薬代表取締役社長。中日友好の活動家、元衆院・参院議員、日中友好協会の創立者の宇都宮徳馬さんの孫。90年玉川大学文学部を卒業しミノファーゲン製薬本舗に入社。祖父の徳馬さんと父の恭三さんの後を継いで、日中友好協会の会長に今年の6月就任。
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