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溝畑 宏観光庁 長官

2010-07-09 18:07:43     cri    

「笑顔と握手で中国人観光客をお迎えしたい」

    この7月1日、中国人向け個人観光ビザの発給要件が大幅に緩和され、これまで限定的に申請を受け付けていた北京、上海、広州から中国全土に広がりました。また、申請者の年収に対する条件も大幅に緩和されたことにより、対象世帯は1600万世帯に拡大したと言われています。
 ビザ発給条件の緩和により、これから増えるだろう中国人の日本観光をめぐり、7月初め、北京を訪れた溝畑宏観光庁長官に話をうかがいました。

――中国人観光客向けの個人ビザの発給は昨年7月1日からスタートしました。これまでの1年間をどのように振り返りますか?

 日本は、これまでも中国の皆さんとの交流を深めて、できるだけ多くの方に来ていただくということに国を挙げて取り組んできました。今回の個人ビザ発給要件の緩和もそうですが、政府、自治体、経済界、国民一人一人が本当にそれを心の底から歓迎しており、この1年の間に日本国民の中に浸透してきているのではと実感しています。

――これまでの1年、個人ビザの申請状況は?

 昨年7月から今年の5月までの11ヶ月間で、申請件数は2万402件ありました。うちわけは、上海が5割、北京が4割で、残り1割弱が広州となっています。一方、個人ビザの申請とあいまって、団体客も増え続けています。数字で見ると、今年になって中国からの訪日観光客は大幅に増えており、1月から5月まで、月間12万人となっています。通年ベースでは、昨年は101万だったのですが、今年はおそらく最終的に最低でも150万、うまくいけば180万人ぐらいの観光客が訪日するのではないかと見込んでいます。

――今回の訪中で、中国の旅行社各社やメディアのみなさんとも話し合いをなさったようですが、手ごたえはどうですか。

 日本に対する関心が非常に深まっていると、来れば来るほど日本に対する関心が強まっているということをしみじみと肌で実感しております。

 今までは、日本という国の美しい自然とか、おいしい店とか、そういうものに対する関心があったようですが、それに加えて、例えば、各地方の魅力や日本の文化、日本の持っている「おもてなしの心」、礼儀、マナーなど、そういったことまで含めた日本人の良さということを、国としてというよりも、日本の地域、また日本の国民一人一人が持っているホスピタリティーに対して、理解が深まっているということを大変うれしく思いました。

――日本への関心や情熱が深まっているということですね。

 そうですね。これと同時に、我々日本人も中国が大好きですし、今、年間300万~400万人の方が中国を訪問しています。日本人は中国のみなさんに対して、もともと尊敬と友情の気持ちがありましたが、日本から中国への観光客が増えていくということで、中国のみなさんを理解していくとともに、中国のみなさんも日本という国への理解が深まっていっていくのではないでしょうか。ここ10年ぐらい、お互いの交流がじわじわと実ってきているのではないかと思います。

――観光は両国の国民同士の相互理解にもつながっていますし、両国の関係発展、経済の成長への促進効果も期待されているということですね。

 そうですね。一人一人が「こんにちは」、「ニイハオ」、そして握手したりハグしたり、お互い仲間意識で付き合う。もう10年20年経ったら、お互いに兄弟みたいな感覚になるということが、自然な姿かなと思っております。やはりそういう意味では、観光は経済、政治、文化、さまざまな交流を深めていくのにとても重要な手段であると考えられます。

――そういう意味から見て、今回の中国人向け個人ビザの申請が中国全土に広がったことに対して、どのような期待を抱いていますか。

 そうですね。13億と言われている中国のみなさん一人一人が、日本という国が、「本当に中国のみなさんを大変尊敬し、愛していて、みなさんを暖かくもてなしたい」と思っていることを、理解していただければありがたいと思います。

 私を含め日本国民全員が熱烈大歓迎をしますので、美しい笑顔と握手、そして親しくなったらハグでお迎えしたいと思います。(聞き手:王小燕、整理:上垣夏乃子、Yan)

【背景】

 中国人の日本観光は今から10年前の2000年にスタートしました。当時は5人~40人の団体で、北京市、上海市、広東省の住民のみを対象にしていました。それが、2004年9月になって、天津市、江蘇省、浙江省、山東省、遼寧省に拡大し、翌2005年に中国全土に広がりました。

 2008年、家族だけなら2~3人の少人数でも可能とした「家族観光ビザ」も登場しましたが、年収27万元(約350万円)の富裕層限定で、日中双方から各1人の添乗員をつけるなど条件が厳しく、希望者はほとんどいませんでした。

 そして、09年7月、個人向けの観光ビザが解禁されましたが、発給対象は北京、上海、広州の住民のみ、年収25万元(約320万円)以上の富裕層に限定していました。今回の大幅緩和により、発給対象地域は全国に拡大。大手クレジットカード会社のゴールドカードを持っていれば、年収6万元(約80万円)程度でも可能となりました。

 日本観光庁によりますと、ツアーで訪日した中国人の87%が初めての訪日で、今後はリピーターを狙うための特定都市や観光圏の訪問、検診や治療を組み合わせた医療観光、修学旅行、産業観光などが今後延び続けていく分野だろうということです。(チャイナネットを参照、Yan編集)

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