漢中緑茶
4月3日から11日までの約一週間、陝西省での取材活動に参加しました。その中で、漢中市という場所に訪れました。
漢中市は、三国志の舞台となった場所。劉邦が天下統一の足がかりとした場所として知られ、漢の拠点でした。漢中鉄道駅のすぐ近くに一軒のお茶屋さんを発見したので、入ってみました。小さなお茶屋さんには数々のお茶が並んでいますが、どうやらそのほとんどが緑茶のようです。
「漢中の緑茶はありますか」
「これらは全部新茶だよ」
店主はこう言い、大きな袋にずっしりと入れられて並ぶ4、5種類のお茶を指差しました。3月20日から5月末までが新茶の季節だということです。
西郷県の新茶を二種類試飲しながら、漢中市のお茶や漢中市の魅力についてお話を伺いました。
西郷県の新茶を試飲
漢中のお茶の歴史は秦漢の時代に始まり、茶馬貿易(外国馬と国産茶を交換)の主要地として1000年以上の歴史を持ちます。漢中の緑茶は標高が約1500メートルと高く、セレンという成分が豊富で、汚染のない自然環境の下で育てられ、その品質の高さで知られています。
店主によると、漢中市の勉県、西郷県、南鄭県、寧強県それぞれで特色の異なるお茶が生産されており、中でも西郷県のお茶が有名だそうです。今回私は600グラム340元の西郷県の新茶を300グラム購入しましたが、それよりもさらに高級な新茶と漢中仙毫というお茶も少しいただきました。
見所の多い漢中市
漢中市で生まれ育った店主によると、漢中市の魅力はなんといっても「三国文化」だそう。毎年多くの日本人が訪れるようで、「去年日本人の大型ツアー団体が漢中市に来た」といいます。残念ながらこのお茶屋さんに来た日本人はこれまでにいないようで、「言葉が違うとなかなか交流が難しい」と残念そうに話されていました。お茶屋さんでお茶を買うことの魅力は、単にお茶が手に入るというだけでなく、店主とお茶の感想を言い合ったり会話を楽しみながら試飲できることだと思います。私は中国茶に関する知識も中国語もまだまだなので、話すことのできる話題には限りがあるけれども、こうして現地の人とゆっくり会話が楽しめるお茶屋さんという空間は良い交流の場だと感じます。(林)
| ||||
© China Radio International.CRI. All Rights Reserved. 16A Shijingshan Road, Beijing, China. 100040 |