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担当:王小燕、高橋恵子
河原啓一郎さん。29歳。この人ほど、ある日突然、爆発的に中国人に名前が知られるようになった日本人はいません。
2年前(2012年)の春節が明けて間もない頃の出来事でした。「中国で自転車の旅をしている日本人の若者が、旅先の武漢で、その自転車が盗まれた」というニュースが新聞、テレビ、ネットで一斉に報道されました。丁度、ミニブログが中国で流行り始めた年でした。ミニブログでの書き込みをきっかけに、5万人の市民が一緒になって自転車を探すことになりました。そして、その盗まれた自転車が、5日後に戻ってきたのです。これが中国メディアの河原さん関連報道の第一弾でした。
そして、第二段はその年の秋の出来事です。
9月7日、雲南省彝良県で大きな地震が発生。その4日後の9月11日に、日本政府は釣魚島の国有化を宣言しました。本来は関連性の薄い別々に起こった出来事でしたが、中国を旅しながら、ボランティア活動を続ける河原さんには、この二つの出来事が繋がりました。
9月半ば、河原さんは市民から集まった薬品を中国の仲間と共に、雲南省の被災地に届けに行く途中、ある中国人グループに襲われました。その時はまわりにいる中国人が守ってくれ、現場から無事脱出できましたが、河原さんが後からミニブログでこの事件の内容を報告したところ、世論が再び沸騰し、本当の愛国心とは何かの大論争が巻き起こりました。
そんな河原さん、実はその後も中国での旅を続けています。昨年11月下旬、一時帰国の経由地として訪れた北京で、河原さんとおしゃべりするチャンスがありました。
子どものときに金魚になりたいと思っていた河原さんは、大学生の時にカンボジアで足が切断された7歳の少女と出会い、その後の人生ががらっと変わったと言います。2011年11月、「アンパンマン号」の自転車と共に、大阪から船で上海に到着し、中国での自転車の旅を始めます。「ボランティアとは普段の日常生活の中で他人の事を思う事」と話します。
中国は3年目、今後も中国の「微博」(ミニブログ)のフォロワー約16万人と共に中国そして、これから行く国々の助けが必要な人々に生涯をかけて力を注いで行くと意気込んでいます。
旅人の人生を始めたきっかけや、中国での2年余りの見聞、友人作りのコツなどをざっくばらんに聞いてみました。
【プロフィール】
河原啓一郎(かわはら けいいちろう)さん
長野市生まれ。29歳。
ボランティアをしながら自転車で世界を周る。看護師であり旅行家、慈善活動家など
活動は多岐にわたる。
2011年から中国での自転車の旅を始め、現在に至っている。
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