仕事の関係で東京へ行くたび、質問攻めにあうのが北京の大気汚染です。私の経験から、日本のニュース映像で流れるシーンは極度に汚染が激しい日。何度もその映像が繰り返されると、一般の人には、それが刷り込まれてしまいます。だから、「毎日大変でしょう」という心配する質問に答えなくてはいけません。で、今回は私が住んでいる北京の西で定点観測してみましょう。
今年10月29日
これは今年10月29日の北京の空。大気汚染でのPM2.5の推定値などを公開しているサイトによると、この日の数値は「38」。雲ひとつない、大陸部の北京らしい、澄んだ青空。遠くの山々もキレイに見えますね。
さて、次の1枚は今年11月1日の北京の空です。PM2.5の推定値は「304」。「もや」がかかったようになり、視界が悪くなっています。ちなみに、10年ほど前、よく上海に行っていましたが、その頃、このような「もや」の日は、においも伴っていたように記憶します。現在、北京では、そのような一種独特のにおいはしなくなりました。
今年11月1日
九州の実家の母によると、中国の関係者が九州の有名な大規模工場を視察に訪れたというニュースが地元で流れていたと言います。「昔、日本もひどかったから、相談に来られたんでしょう」と母。確かに、私が小さい頃は光化学スモッグという言葉を聞かされ、新聞記者の時はダイオキシン問題何度も取材をしたことを思い出します。日本でも都市、生活型の大気汚染が深刻な社会問題となっただけに、生活様式の変化が急スピードで展開している中国でも様々な対応策が求められる時を迎えたようです。(山下)
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