まずは恒例の1枚。
北京の長い夏を楽しむ、屋上ならぬ"路上ビアガーデン"といった雰囲気です。
自宅近くの飲食店では、夕方になると店の前にテーブルとイスが用意され、仕事帰りの仲間や近所の人たちが集まってきます。夜の散歩がてら、妻を誘って大好きな羊肉串とビールで大満足。北京市内では、さまざまな飲食店がこのような"路上ビアガーデン"を出しています。食材も違ったり、風景も違ったりで、屋台巡りをしていた博多時代を思い出します。そう、あの頃は駆け出しで、時はまだ昭和。あの気さくな街角がまだここにはありました。
★
さて、今回はメディア交流の一面をのぞいてみましょう。写真は先日、北京市内にある中国伝媒大学であった講演の模様です。この大学は、放送業界はもとより、映画づくりなど多くの中国メディア業界に人材を輩出していることで知られています。
この日はアメリカでの取材経験が豊富なテレビ朝日の鈴木悟さんが学生たちを前に講演しました。大統領取材の経験談のほか、東日本大震災が発生した直後のキー局や地方局の動きなど、映像を使って紹介。緊迫したスタジオ、揺れが続く中、放送を続ける地方局など、ふだん目にしない映像の連続に学生たちに緊張が走ります。このようなテレビ朝日との交流はもう20年以上も続いていて、相互研修もおこなっているとのことです。
後日、同大の卒業生で地方都市のテレビ局で働く若いディレクターと会う機会がありました。日本語も学んでいたということで流暢な言葉で「機材は買えても、カメラや編集などを扱うノウハウが問題なんです。ドキュメンタリーを重視し、制作して行きたいが、カメラマンの養成も始めなくてはいけない」と悩みを話してくれました。
「優秀だなあ」と率直な感想。番組に携わると作ることに夢中になって、それがどんな"質"なのか、なかなか立ち止まって考えないものです。彼はすでに"質"に気づいて、レベルアップの土壌作りを考えているようでした。私の経験でも、メディアにとってハードとソフトは車の両輪ですから。「加油!」
★
自宅のケーブルテレビでは、150チャンネルほどが流れます。その数に驚きましたが、今もなお、チャンネルが増え続けています。「高清」と呼ばれるHD放送も同様です。
(CRIのションピングチャンネルも放送が開始されました)
日本と違うのは地方都市にあるテレビ局の放送を見ることができます。感心したのは、日本のように地方局がキー局のネット番組で大半を占めてしまう作りになっていない点です。独自の編成が特徴のようで、若いディレクターたちがどんな時代を切り開いていくのか、楽しみになりました。
★
最後に、日本はお盆です。26年前、あの夏、日航機事故があり、多くの方が亡くなりました。新人記者の私は福岡で犠牲になった人はいないか、搭乗者名簿を持ち、街を走り回っていました。この事故で歌手の坂本九さんも犠牲になりました。「上を向いて歩こう」。つらい時、今も曲が浮かんできます。この夏、中国では高速鉄道の事故が起きました。取材者ではないため、事故を論じる立場にはありませんが、犠牲に なった方々のご冥福、けがされた方々の一日も早い回復を祈っております。
動画はお休みです。次回、お楽しみに。(山下哲弥)
| ||||
© China Radio International.CRI. All Rights Reserved. 16A Shijingshan Road, Beijing, China. 100040 |