皆様、こんにちは。暑くなりました。仕事帰りにビールを一杯ひっかけて帰るといった方も多いかと思います。今日はお酒に関する話題でつぶやいてみたいと思います。
お酒はコミュニケーションの道具だと言われます。普段はあまり話せないことでも、お酒が入ると、話やすくなるという話はよく聞きます。(もちろん、社会通念上許容される範囲ですよ)これは、やはり日本と中国どちらにも見られる現象だと思います。
私は北京生活が10年になりますから、中国の方と飲みに行くこともしばしばです。以前も書きましたが、中国と日本は同じ東アジア文化圏に属していますから、習慣も重なっているところが多いです。しかし、違う点も見られます。
共通点として見られるのは、やはりお客様、目上の人を尊重する点です。目下の人は、目上の人に自発的に酒を注ぐ、これは社会の常識だと私も教えられました。それは、中国も同じで、客を迎える側は、客のグラスに目を光らせ、酒がなくなったら、すぐに入れます。しかし、違う点は、主人は絶えずお酒を勧めることです。大勢の人の接待を受けたら、10分に一回の間隔で勧めにきます。また、一人の人に勧めると、連鎖反応的に他の人にも勧めます。まあ、これは歓迎の意を示すという意味もあるのだと思うのですが。これは日本人にとって、びっくりすることのようです。最近、日本では、無理に飲ますような行為は失礼だと見られているようですから。
ご存じの方も多いかと思いますが、中国の酒の席でよくみかけるのは「白酒」といわれる蒸留酒です。上の写真にあるのがそうです。これは、アルコール度が非常に高く、低くて38度。高いものになると56度です。このような酒を絶えず勧められると、低いアルコール度数に慣れている私たちは、ひとたまりもありません。「白酒」は飲んでいるうちは、まだ飲めると思いますが、飲み終わってしばらくすると、一気に酔いがまわります。私も留学生時代、中国人の友人と飲み比べをし、酔っぱらって記憶をなくしたこともしばしば。ですから、勧められるままに飲むのではなく、もうだめだと思ったら、少し席を外すなどの工夫をした方がいいでしょう。
また、中国の方と酒を飲んでいるとき、こんな光景をよく見かけます。
上司が杯を手に取り、部下に酒を勧め、こういいました。
「君は本当によくがんばってくれた。君の会社に対する貢献は大きい。さあ、乾杯しよう。」
部下は恐縮した面持ちで立ち上がり、
「恐縮です。では、乾杯。」
こう言って、サシで飲みます。
これは、日本でもありますが、中国の場合、長い話をして、乾杯することもよくあります。また、何回もその手の言葉を言われて乾杯することも。まあ、褒め言葉+酒ならば、こちらも悪い気はしませんが。
ここで乾杯と書きましたが、中国と日本の乾杯は全く別物です。これはご存じの方も多いかと思います。日本の乾杯は、少しだけ飲むことを指しますが、中国の場合、全部飲み干さなければなりません。接待を受けていると、短い間隔で乾杯をしに来るので、大変です。相手が「乾杯」と言って、飲み干すと、こちらも、向こうはここまでやったのだから、期待にこたえなければと思い、つい飲み干してしまいがちですが、それを繰り返すと、酔いがどんどんまわります。やはり自制は大切ですね。
お酒は、適量を飲めば、体にも精神的にもいいものです。ただ、飲みすぎると、体にも悪いし、それがもとでトラブルになることもあります。これは、世界共通の事実です。お酒といい友達になれば、自身のアフター5はもっと豊かになるでしょう。それを胸に刻んで、酒の席に臨みたいものです。(吉田陽介)
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