第三回:演出家 吉岡真衣子さんのお話
中日文化の融合に取り組んで
~中国古典を日本人が上演する意味~
「で、なんで日本人が中国人ならだれでも知ってる古典を上演するの?」。北京東城青年演劇祭に参加が決まってから、幾度となく聞かれた疑問です。お芝居の原作となった「聶小倩」は、中国の怪異小説『聊斎志異』中でも最も庶民に人気がある物語の一つ。同じ原作による映画『チャイニーズ・ゴーストストーリー(中国名、倩女幽魂)』(1987年香港、ツイ・ハーク総製作)は、永遠の定番として中国人の心の中に浸透しています。なのに、なぜそんなイメージが出来上がったストーリーに日本人の私たちが無謀にも挑戦?
撮影:六度達郎 デザイン:千早
実はこの疑問は私たち自身の中でも、ずっと渦巻いていました。もともと、今年7月に開かれた北京日本人会文化祭用の上演演目として、日本人の方々に中国文化を紹介する意味で準備したこのお芝居。たまたまリハーサルに使わせていただいた蓬蒿劇場の王翔さんの目に留まり、「同じ演目で」という条件で、今回の演劇祭に招いていただいたまでは良かったものの、さて、今度はお客さんの半分が中国人。そのまま上演したのでは、日本人の私たちがやる意味がないのでは…と、脚本のテーマから再考を始めました。
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