「静」と「動」。
『倩女幽魂』は、この二つを交互に取り入れることで「静」の幻想的なシーンと「動」のアクションシーンをより引き立てる手法を採用しており、アクションシーンでは武術で北京オリンピック特別公開種目の出場枠を手にした主演の松浦新が、その華麗な技を惜しみなく披露し、まるで西遊記の孫悟空のような軽やかな動きで舞台を飛び回り、時にコミカルに、時に鋭く「魅せる武術」を目の当たりにした私たちは、息つく間もなくハラハラ、ドキドキ手に汗を握るのです。
スローモーションで表現した闘い(左から中屋章二、松浦新、須賀学)
撮影・謝超(北京龍奕影像撮影工作室首席撮影師)
「静」のシーンでは、紅一点の小倩を演じる内山智恵美の優美な所作を通じて、中国の古典小説「聶小倩」が持つきらびやかで儚く、また情緒的で幻想的な世界観をそのまま描き出しており、この世の者ではない小倩の悲哀と慈愛から、観客である私たちは大切な人を守る強い心と貫くべき愛の形を再確認せずにはいられません。
寧采臣と小倩の出会い(左から松浦新、内山智恵美)
撮影・謝超(北京龍奕影像撮影工作室首席撮影師)
そして劇中唯一の悪役を演じる黒木真二の漆黒王は正に異質な存在感を放ち、邪悪な存在であるにも関わらず、その耽美的な精神が映し出されることにより、漆黒王の登場が物語に存在する二つの世界、「静」と「動」、「生」と「死」、「愛」と「苦悩」といった相反する紙一重の世界をより強いメッセージで観客に知らしめるのです。
小倩を操ろうとする漆黒王(黒木真二)
撮影・謝超(北京 龍奕影像撮影工作室首席撮影師)
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