29日は、固原市から南へ38キロほどの張易鎮へ。この村は、村全体が新しく整備されており、その中心に張易中学校がある。この中学の校舎は、関西日中交流懇談会の援助により新しく建て替えられたとのこと。立派な碑が建っていた。村の人材育成の期待を一身に担っているようだ。これまでは初級中学、高級中学という中高一貫校だったが、今年から高級中学部は、県城にある高級中学に吸収合併されたとのことで、現在は3年生のみ。
日本からの支援で建てられた校舎 |
教員との交流 |
ここでは、「一対一」面談と教員との交流とが行われた。教員との交流には中国側から校長以下13人が出席した。国語、数学、英語、化学、地理などの教科の教員で、ほとんどがクラス担任をしている。日本側からは、おもに豊中市立中学校、小学校の教員たちが中心となって話がすすめられた。学校側は、政府や地元住民の教育重視政策及び教育改革の進展により、ここ数年で大きく教育環境が整い、発展が目覚ましいことを強調する。高級中学がこの地からなくなることへの影響を心配する日本側の質問にも、都市部へ行くことはより質の良い教育が受けられるから問題はないという。都市部の高級中学へ進学できない生徒には職業高級中学があり、生徒の6分の1はそこに行く。農業高級中学へ行く場合、年1500元の奨学金が支給されるなどの優遇措置がある。職業高級中学は3年課程で、そのうち2年間は学校で勉強、最後の1年間はインターンとして実地研修を受けるとのことだ。また、大学への道も保障されているという。
その他、日本側から出された質問は、
1)教員の研修について、
2)地域一斉の学力テストなどの有無、
3)中国のクラス定員の多さと「素質教育」の理念との矛盾について、など。
中国側からは、
1)中学教育と高校教育の授業の進め方、
2)クラス担任の苦労の解決策、
3)クラス人数の定員オーバーをどうするか、などの具体的な質問が出された。
また、現在の学校の課題としては、農村から都市部へ出稼ぎに行く農民や「退耕還林」政策(耕地を元の草原や林に戻す政策)の奨励で新しい土地へ移住することで子どもの数が急激に減っている現象がある。ある小学校では、現在全校生徒58人になってしまった。また、教育資源の効率化ということで、学校の統廃合が始まっており、大規模校になり、子どもたちはさらに通学が困難になり、就学率にも影響が出てきているとのことだ。
「退耕還林」政策で、緑豊かになってきた黄土高原 |
張易鎮を見渡せる小高い丘に登ってみると、まさに町全体が新しく整備されつつあるのがよくわかる。こうした農村整備と「退耕還林」により、黄土高原の緑化も進んできている。
張易鎮全体が新しく建設されている |
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