zhongguoyinyue20150116
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ナビゲーター 黄競
雪が舞い散る冬、恋する人と一緒にいると、心の中では温かな恋のさざ波が押し寄せてきます。今回の中国メロディーは時に甘く、時に寂しく、時に期待する、そんな恋のさざ波を生み出す冬の歌と音楽を取り上げましょう。
「初恋のきた道」~中国らしい愛情
今、お聞きいただいているのは名監督・チャン・イーモウの映画「我的父親母親(初恋のきた道)」の音楽です。静かに流れる音楽は、人々を桃源卿のような北方の小さな村へと誘います。美しい少女チャオ・ディは町からやってきた若い先生ルオ・チャンユーに一目ぼれし、彼女は遠まわしに自分の思いを彼に伝えます。やがて二人の心は通じ合います。しかし、時代の波である文化大革命が押し寄せ、二人は離れ離れになってしまいました。雪が舞い散る冬、少女は町へと続く一本道で愛する人を待ち続け、数年後、この愛し合う二人はようやく一緒になることができます。
笛、琵琶、ピアノが奏でる穏やかで感傷的な主旋律は、壮大な風景とともに、中国らしい愛情をありありと表現しました。学校でルオ先生が教科書を読む声を聞くためだけに、毎日、家から遠く離れた学校近くの井戸へ水を汲みに行く主人公・ディー。学校のそばの道を通る時には、ルオ先生に会いたいけれど、会うのが恥ずかしいというもどかしさ。そんな少女の気持ちが音楽と調和して、映画を美しく演出しています。
愛とは何か?
映画「初恋のきた道」が純粋な愛情を求める讃美歌だとしたら、ミュージカル映画「如果・愛(ウィンター・ソング)」は人間が愛情と欲望の間でもがく苦しいため息と言えるでしょう。ジョウ・シュン(周迅)が演じたヒロインと金城武が演じる男性主人公は、共に映画を愛する若者です。ある雪が舞う冬、二人は北京で出会い、愛し合います。しかし、ヒロインが女優となる夢を叶えるため、熱愛の恋人を捨ててしまいます。10年後、二人が再び出会う時、ヒロインは昔の恋人と自分を売り出してくれる今の恋人に挟まれ、苦しい葛藤に陥ります。
ミュージカル映画として、多くのシーンでの心の変化とプロットの進行が歌と踊りの形式で表現されています。例えば、最後のシーンではジャッキー・チュン(張学友)が歌った主題歌「ウィンター・ソング」が流れ、スクリーンでは昔の恋人がヒロインに別れを告げ、「北京を忘れるな」と涙を流しながら言います。この場面で、主題歌は登場人物の感情を手に取るように表現しています。
誰もが知りたいのは
生涯の真実の愛はどこにあるかということ
真夜中に目覚めると 一層強く感じる
君と出逢って愛とは何かを知ったから
外からの誘惑と心の欲望に直面する時、多くの人が困惑し、一体何が一番大切なことだろうかと考えます。映画の中に登場する3人は、懸命に答えを探しています。
中国版「冬のソナタ」
「大約在冬季(おそらく冬の頃に)」という歌は中華圏では良く知られる名曲で、中国版「冬のソナタ」として評価されました。
僕は君からそっと離れる
涙をぬぐってください
長い夜、未来の日々
最愛の君よ、僕のために泣かないで
これからの道は寂しいものだけど
微笑んで僕を祝福してください
風が吹き、雨も降るけど
僕は雨や風の中で君と恋をする
故郷へいつ戻るかと君が僕に聞いた時
僕も自分にこっそりと聞いてみた
いつになるか分からない
おそらく冬の頃だろうか
その懐かしいメロディーが流れると、多くの中国人はほろ苦い青春時代を思い浮かべるでしょう。この歌は台湾の歌手・斉秦が1987年に作ったものです。斉秦は80年代、90年代の代表的な歌手で、その反逆の精神と個性的な性格により、歌謡界において特異な存在と見られています。「大約在冬季(おそらく冬の頃に)」という歌は斉秦が愛する恋人・王祖賢のために作った有名なラブソングです。当時、二人は仕事のため一緒にいられる時間が少なく、斉秦は頻繁に電話し、また多くのラブソングを作り、恋人への愛を表しました。この有名なラブソングはこの時期に誕生したもので、恋人同士の離れがたい気持ちを表現しています。
番組の中でお送りした曲
1曲目~ 我的父親母親(初恋のきた道)
映画「我的父親母親(初恋のきた道)」の挿入歌で、主人公のディーが水を汲んでくるシーンの音楽です。主人公の素朴で真摯な感情が伝わってきます。
2曲目~ 如果・愛(ウィンター・ソング)
映画「如果・愛(ウィンター・ソング)」の主題歌です。
歌詞:
誰もが知りたいのは
生涯の真実の愛はどこにあるかということ
真夜中に目覚めると 一層強く感じる
君と出逢って愛とは何かを知ったから
僕は君からそっと離れる
涙をぬぐってください
長い夜、未来の日々
最愛の君よ、僕のために泣かないで
3曲目~ 大約在冬季(おそらく冬の頃に)
この歌は台湾の歌手・斉秦が1987年に作ったもので、恋人同士の離れがたい気持ちを表現しています。
歌詞:
これからの道は寂しいものだけど
微笑んで僕を祝福してください
風が吹き、雨も降るけど
僕は雨や風の中で君と恋をする
故郷へいつ戻るかと君が僕に聞いた時
僕も自分にこっそりと聞いてみた
いつになるか分からない
おそらく冬の頃だろうか
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