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ナビゲーター 黄競
秋風の立つ頃、山一面を赤く染める紅葉は、秋における最も美しい風景と称えられます。紅葉はまるで華麗な秋のワルツを踊るように、情熱と活力に溢れています。今回の中国メロディーは紅葉を歌う心を揺さぶる旋律の中で、秋の魅力を味わいましょう。
燃える革命心を象徴する紅葉
中国では、紅葉は火のように燃える革命の理想に喩えられます。その一枚一枚の紅葉の中に一つ一つの火のような熱い心があると言う人もいます。
1980年代に上映された映画「楓」は文化大革命の時代を舞台にした作品で、美しい青春が血生臭いあらしの中で楓のように舞い落ちるという悲劇を描きました。映画の中で元々愛し合っていた恋人同士が残酷な政治的闘争の渦中に巻き込まれ、敵となり、銃口をなんと恋人に向けざるを得ませんでした。結局、ヒロインが政治的闘争で飛び降り自殺し、ひらひらと舞い落ちた紅葉は彼女の唇の上へと落ちていきます。まるでヒロインが青春、愛情、生活に最後にキスをして別れを告げるようです。この場面で、挿入歌「楓葉飄(紅葉の愛)」が流れてきます。「楓はひらひらと舞い落ちて、一体どこへ飛んでいくのか。恋人よ、近くにいるのにまるで天の果てにいるよう……」その哀愁を帯びたメロディーは青春の花が運命に翻弄されることを嘆いているようです。
夕焼けのような山一面の紅葉
晩秋の頃、中国南部揚子江中流の名所・三峡を訪れると、峡谷両岸の絵のような風景や山一面を赤く染める紅葉が秋の美しさを感じさせくれます。
1980年代の映画「等到満山紅葉時(「山一面が紅葉する頃)」は三峡下りの客船の若い船員たちの恋愛と理想を描いた物語。その時代の人々が愛を貫き、理想に近づこうとした精神を讃えました。映画の中で、山一面の紅葉が寒さに耐える様子は、元気みなぎる精神を象徴し、1980時代の人々の純粋かつ積極的な姿勢を反映しています。映画の挿入歌「満山紅葉似彩霞(夕焼けのような山一面の紅葉)」の美しいメロディーは三峡の壮大な景色や悲しくも美しいラブストーリーとうまく融合し、今でも観客の心の中に映像として残ります。
恋は紅葉の如く
楓に関する歌と言えば、40代以上の人はほとんど「片片楓葉情(恋が紅葉の如く)」というラブソングを思い浮かべるでしょう。広東語で歌われるこの唄は1991年、香港歌手・張智霖が歌ってから中国全土で大ヒットし、今でも最も人気あるラブソングの一つとして多くの人に愛唱されています。
この唄は男女のデュエットで、カラオケで恋人同士がよく歌う定番です。私はこの唄を聴くたびに、主人と付き合い始めた頃、ロマンチックな雰囲気になろうと、カラオケでこのラブソングを歌うために広東語を猛練習したことが頭に浮かびます。40代の人にとって、この唄は青春時代の恋愛とそのドキドキする思いが詰まっているラブソングでしょう。
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