「小人の行列」(小官人)
いつのことかわからん。ある長官が書斎で本を見ていると、ふと部屋の隅から数十人の小人たちが出てきた。それはどこかのお偉方の行列らしい。歩いているものが多いが、馬に乗っている小人もいる。その馬は蛙ぐらいの大きさ、小人は長官の指ぐらいできちんと並んで歩いていた。この長官、肝っ玉が据わっているので驚いたものの、面白いので黙ってみていた。小人らは一人の役人が乗った籠を列の真ん中にして、書斎を出て表玄関に向かっていく。
見るとその役人は長官と同じような服をまとい、胸をはり威張り散らしている。これを見て長官は、小人の国も、なんとわしらの世と同じようなのかと思った。そしてその役人は長官に気付いたのか、下役人を呼び、何かを命令した。するとその下役人が、長官の足元に来て見上げていう。
「これは長官さま。実はうちの旦那さまが、長官さまのお屋敷を通るのでお邪魔したと、お礼を差し上げて来いといわれました」
これに長官はびっくり。するとその下役人は、手に持っていたものを両手で差し出したが、ふと「こんなちっぽけなお礼は、長官さまには何もならないでしょうから、どうでございましょう。この私めにくださいまし」
これに長官、笑い出すのをこらえ「うん。そうかも知れんな。ではそのほうがとっておけ」と答えた。
これに下役人はにっこり。早速その物を懐にしっかりしまいこみ、長官に恭しく一礼すると、列を追っていった。そしてこの小人の一行はやがては玄関の外に出てどこかにいってしまったワイ。
これを見ていた長官、「おお。しまった。あの小人らは何者か。あの役人は何の役についておるのか、それになんという国のものかを聞くことをすっかり忘れていったワイ」とつぶやいた。
そして長官は、それからはこの小人たちを見たことはないそうな。
そろそろ時間のようです。来週またお会いいたしましょう。
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