「月生や。お前もだめになったのう。これではどうにもならなくなったな。覚えておるか、わしが死ぬ前にお前にいったことを。誰もいなくなったときにお前にくれてやると約束したな」
「あ、思い出した。金ですね」
「そうじゃ」
「で、どこにあるんですか?」
「明日一人で庭の壁の下を掘ってみろ」
「庭の壁の下?」
「うん!いいか、これからはそんな生き方はやめよ。さもないと、またいまのようになるぞ!わかったな」
これを聞いて月生は喜んだが、そのときに目が覚めた。
「何だ、夢か。にっちもさっちも行かなくなったので、こんな夢を見たんだろう。いや待てよ。ためしに一人で掘ってみよう」と月生は夜が明けないうちから、大きな音を立てずに庭の壁下を掘ったところ、汚い籠が出てきたので、あけてみると父が言ったように多くの金が入っていた。
「そうか、これが父さんのいった"誰もいなくなったときに"か。つまり家族が死んで行き、あと妻もいなくなったときか」
月生はこのときから、その性格をがらりと変え、無駄遣いなどはぜずしっかりと物事をやり、多くの金をもうけてから、子供と暮らしていた兄嫁や弟夫婦を助け、死んだ妻や子供の墓を建て直し、自分もちゃんとした女子を嫁に迎え、まじめにそして楽しく暮らしたそうな。
次は「犬」です。
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