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「誰もいなくなったとき」

2009-02-03 10:32:04     cri    

 「犬」

 山西の路安に建義という男がいた。ある日、建義は父が人に謀られて投獄され死にかけていると聞いたので、あわてて家の蓄えである銀二百五十両をもって、郡にある町に住む知人を通じて父の命を救おうと騾馬に乗り出かけた。

 実は建義は一匹の黒い犬を飼っていて、普段はおとなしいのだが、この日はどうしてか来るなといってもついてくる。これに建議、何度も鞭を振るって犬を追う返そうとしたが、だめ。やがて十数里きたところで建義は我慢できなくなり、驢馬から降りて道端で用を済ました。そして石を拾って犬にぶつけたので犬は悲鳴を上げて逃げていった。そこで建義は驢馬に乗り先を急いだ。するとまた犬が追いかけてきて今度は驢馬の前を走り、なんと飛び上がって驢馬の頭を噛もうとしている。これに建儀は怒り、不吉な野郎だと鞭で犬を何度も何度も打った。これに犬はたまらんとまた来た方に逃げていった。

 こうして建儀はその日の夜に郡の役所がある町に着いたが、もうかなり遅く、今から知人の屋敷に行くと相手が嫌がると思い宿を探して泊まった。そして持ってきた銀を取り出してみたが、なんと二百五十両、三つの袋に入れておいたのが二つしかない。これはいかんと考え、ここに来る途中に用を済ましたときに袋を落としたらしいと気付き、東の空が明るくなり始めたころ驢馬に乗り宿を出た。そして来た道を走り、かの用を済ましたところについたので急いで袋を探したが、ない。だが、かの犬が死んでいるのが見えた。そこで犬をどけてみると、犬の下に自分の落とした袋があった。これに感心した建義は犬の屍をほかの袋にいれ、驢馬に乗って郡の町に引き返し、犬を入れた袋を宿に置き、早速知人を訪ね、持ってきた二百五十両を渡し、牢獄にいる父をなんとか出してもらい、すぐに医者を呼んで父の手当てをさせた。こうして翌日には父はいくらか元気を取り戻した。そこで人を雇って馬車を父を乗せて走らせ、自分は驢馬に乗り、死んだ犬を入れた袋を自分の後ろに置き屋敷に無事帰った。もちろん、建義は自分の金を守って死んだ犬を忘れず、屋敷の近くに犬を大事に葬ったワイ。

 今度は「損した分を取り返す」です。

 「損した分を取り返す」(牛飛)

 山東のシ川にすむ男が、とても一頭の牛を買った。しかし、数日後に男は夢を見た。それはその牛に羽が生えた夢だった。男はこれは縁起が悪いと思い、牛は死んでしまうか、どこかに飛んでいってしまうと疑い始め、これはいかんと翌日また町の市で牛を売ったが、買ったときの値では売れず、仕方なくいくらか安く手放した。そして売った金を布に包みそれを腕に巻いて家路についた。

 「ああ。俺は損したよ。つまらねえ牛を買い込んだものよ。どうにか損した分を取り返したいな」

 男はこう思い、家に帰る途中の森で一羽の鷹がウサギを捕らえ食べているのを見つけた。

 「おお。なかなかいい鷹だ。よし、あの鷹を捕まえて明日市で売り飛ばそう」

 こう思った男は、どこから学んだのか、鷹などを捕まえる心得があるらしく、こっそり鷹に近寄ると不意に鷹の足をつかんだ。ところが鷹のほうは逃げようとはせず、両方の翼を広げ、上下に動かしているだけ。それに用心していた男をくちばしで突付いたりはしない。

 「ほほ!これはおとなしい鷹だ。いいか、明日にお前を売り飛ばし、牛で損した金を取り戻してやる」

 これに鷹は男の言うことがわかったのか、急に羽ばたき始め、それがすごかったので男は思わず手を離してしまった。その調子に腕に巻いていた金の入った袋が腕から離れた。と、そのとき、鷹はその袋を銜えると、宙に舞い上がり、男があっけに取られているうちに、どこかへ飛んで行ったしまったワイ!

 ねえ!牛に羽が生えて飛んでいくわけがないし、鷹を捕らえて売り飛ばし、損した分を取り返そうなんて、おかしな考えはいけませんよね。

 今度は「小人の行列」です。

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