しばらくして妻が新しい酒を運んできたので、父親は娘を連れてくるよう言いつけた。こうしてかの娘は母に連れられ出てきた。
「ああ。去病どの、これは娘の青鳳で今年十七歳でござる」
そこで去病がみると、それはたいそうきれいな娘で、恥ずかしいのだろうか下を向いて去病にお辞儀した。
「青鳳、この去病どのは、もう我が家の人みたいになり、それに物知りだから、お前もお話を聞きなさい」と父親はいう。
これに青鳳は、はいと答えて席に座り、目を澄まして去病を見た。これに去病は胸がどきどきした。どうもこの娘に一目ぼれしたらしい。しかし、去病はぐっとそれをこらえ、また飲みながらいろいろ話し、青鳳の表情に気をつけていると青鳳は目を輝せている。やがて去病が自分に注意していることに青鳳が気がつくと顔を赤くしてうつむいた。そこで酔っていたせいもあってか、去病はなんと「きれいな娘さんだ。嫁にしたいな」と小さな声で言った。これに青鳳は真っ赤になり、妻は慌てて青鳳を連れて奥に入っていく。
これはまずいと気がついた去病は、難しい顔をし始めた父親に「かなり酔ったみたいなので寝にいく」といい、部屋を離れて自分の部屋に入って爺さんが用意してくれた寝床に入った。
こうして朝になったが、去病は青鳳が忘れられず、またかの部屋にはいったところ、誰もおらず、ただ良い香りがするだけ。仕方がないので去病は引越し先に戻り、黙って支度をしてまた屋敷に帰ってきた。そして夜が来るのをまち、かの部屋に入ると、そこには怖い顔をした奴がいて去病をにらんだが、怖いものなしの去病は刀を振りかざしたのでそいつは外へ逃げていった。そして去病はその部屋で待っていたが誰も来ないので、あきらめて自分の部屋に戻った。こうして去病が寝ないで酒を飲んでいると、戸を軽く叩くものがいる。去病が早速戸を開けると、外には青鳳が立っていて、去病が中に入れといっても入らず、立ったままでいう。
「父があなたを煙たがり、先ほどは怖い顔をしたものをかの部屋にいさせましたが、あなたはまったく怖がらず、そのものが驚いて逃げてしまいました。でも、父が引っ越し先を見つけたので明日私どもはそこに引っ越します。私はあなたを慕っていますが、明日ここを離れなければなりません」
「そんな!あまりにも急だ」と去病がこう答えていると、庭のほうからかの父親の声がして、青鳳に早く戻れという。これに青鳳は驚き、さっさと行ってしまった。そこで去病は大声で庭に向かって「私が勝手に一目ぼれしたから、悪いのは私だ!」と叫んだが、返事はなくあたりは静まったまま。
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