中国国務院の李克強首相は16日午後、北京でギリシャのサマラス首相と会談を行いました。李首相は、中国とギリシャの両国が協力の効果を高め、協力分野を拡大するほか、中国とヨーロッパは更に開放的で包容的な姿勢で実務協力を推進させるべきだと強調しました。

　李首相は会談で、「中国とギリシャが国交を樹立してからの41年間、両国の政治信頼と実務協力の発展は迅速だ。両国は更に協力の効果を高め、協力分野を広げるべきだ。1つ目は、実務協力を拡大し、協力計画を研究、制作し、2015年までに双方の貿易額を今の2倍に増やし、インフラ施設、新エネルギーなどの分野での投資協力を深化させ、中国企業に良い投資環境を提供するよう期待している。2つ目に、海運協力を強化し、重点協力プロジェクトに対する投資と支持を拡大することを望む。3つ目に、観光業の協力を推進し、中国国民のギリシャへの観光ビザの手続きを更に簡易化させることを望む。4つ目に、人文交流を進化させ、両国の豊富な文化資源を十分に活用し、多様なイベントを展開し、両国国民の相互理解が深まるよう期待する」と述べました。

　また李首相は、「ヨーロッパは中国外交の主要な方向の1つで、中国はEUの地位と役割を非常に重視している。ギリシャは次のEU輪番議長国として、中国はギリシャが中国とヨーロッパとの健全で安定した関係を促進させる独特な役割を期待している。中国は、EUが中国製通信機器と太陽光パネルに対する反ダンピング調査を行っていることに非常な関心を寄せている。ギリシャがEU内で積極的な役割を果たし、EUが貿易救済措置に対し慎重な姿勢になるよう促し、貿易保護主義に反対し、中国とヨーロッパの大局的な経済貿易の関係を維持するよう期待している」と話しました。

　サマラス首相は、「ギリシャと中国は世界文明の大国として、長い友好の歴史を持ち、多くの重大な国際事務において互いに支持しあっている。ギリシャは中国の支持に感謝し、中国はギリシャの真の友人である。新たな情勢の下、ギリシャは両国が経済貿易、海運、観光、文化などの分野において更に密接に交流と協力をし、中国企業の引き続きギリシャでの投資を歓迎する。ギリシャはEUが適切に貿易摩擦問題を解決するよう促し、ヨーロッパと中国の関係発展に建設的な役割を発揮したい」と述べました。

　会談後、李首相とサマラス首相は、中国とギリシャの経済貿易、投資、海運、農業などの分野における協力の調印儀式に参加しました。（劉叡、志摩）