中国臓器提供管理センターは今年6月に、臓器提供の情報管理に関するオンラインシステムをスタートさせることを発表しました。臓器提供者はこのシステムを利用して登録ができるようになります。
中国では現在、臓器を提供する意思がある人は各地域の臓器提供管理機関で登録手続きをしドナーカードをもらいますが、今後はオンラインで登録できるようになります。今年6月末に臓器提供の情報管理に関するオンラインシステムがスタートします。このシステムについて、中国臓器提供管理センター業務部の高新譜副部長は、「このシステムでは臓器提供者、それに臓器提供の可能性のある人の情報を集めている。提供の意思がある人のうち、約3割が実際の提供者になると考えられる。提供者に対しては臓器提供の全過程を管理することになる」と説明しました。
中国では臓器提供を必要としている人は年間30万人いますが、実際に提供を受けた人は1万人しかいません。臓器提供の不足が深刻な問題となっています。より多くの人に臓器提供の意思を持ってもらうよう、中国政府は3年前から臓器提供を促す事業に取り組んでいます。その結果、現在1万8000人余りが臓器提供の希望者として登録しています。
提供された臓器の配分について、高副部長は「病気の深刻さや提供者との物理的な距離などを参考にして公平に配分し、配分作業はオンラインでたった0.2秒でできる」と述べました。さらに、「提供者と提供を受ける人が距離的に近いかどうかのほか、倫理的な原則がある。臓器の提供を受ける場合、提供者の親族、それに臓器提供を希望する人も優先される。これらの原則をポイントをつけて計算し、最終的にはポイントの多い順に配分をする」と説明しました。
このシステムと同時に中国では、経済面に問題のある臓器提供者を援助する人道救助基金の設立を準備しています。これについて、高副部長は「臓器提供は無償だ。人道救助基金は経済面の補償でも奨励でもない」と強調したうえで、「この基金は提供者ばかりでなく、提供を受ける人も援助するものだ。臓器移植を受ける患者は無視されがちな人たちだ。実際は手術の失敗など大きなリスクにさらされている。その点を考えて、少しでも人道的救助をすべきだ」との考えを述べました。(鵬、吉野)
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