G20・主要20カ国と地域の財務相および中央銀行総裁会議は15日と16日の2日間、ロシアの首都モスクワで開かれました。
会議では世界経済情勢、金融監督、国際通貨システム改革、雇用拡大などについて意見を交換しました。
会議は共同声明を発表し、通貨安競争の回避とユーロ圏債務危機の解決、バーゼル協定Ⅲのいち早い導入を諸国に要請しました。
2010年9月、金融危機の再発防止のために合意された『バーゼル協定Ⅲ』には、銀行自己資本比率を引き上げる規制強化が盛り込まれました。
これについて中国財政省の朱光耀次官は「アメリカとEUは『バーゼル協定Ⅲ』の導入に遅れているものの、協定の重要性と、先進国としての責任を認識した。今回会議はアメリカなどによる『バーゼル協定Ⅲ』の導入を歓迎し、金融監督強化でG20の信用度を増すことになる」と語りました。
2月12日、先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議は為替相場が市場によって決定される声明を発表しました。
これについて、朱光耀次官は「為替相場の市場決定に関する先進7カ国の声明は今回G20会議の議題に含まれていない。会議は去年ロスカボス首脳会議の立場を踏まえた。去年6月にメキシコのロスカボスで開かれたG20首脳会議は、通貨安競争の回避や市場と重要経済指数による為替相場の決定を強調した」と語りました。
先進国による金融緩和の波及効果について、ロシアのシルアノフ財務相は「一部国家の中央銀行が超金融緩和策を繰り返し、短期間に景気を刺激したが、世界経済全般にとってリスクが拡大するだろう」と懸念を表明しました。
これについて朱光耀次官は「ブリックス諸国は先進国に対し、超金融緩和策による世界経済や特に途上国経済への影響に配慮するよう要求した。先進国は金融緩和策で他国経済への影響を最小化することにコミットした」と語りました。(ジョウ、山下)
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