G20第7回サミットが、今月18日から19日にかけてメキシコのロスカボスで開催されます。世界経済が多くの不安定要素に直面し、減速リスクが増加しつつある背景の下で、今回のG20 サミットがどのような成果を収めるのかが注目されています。時事解説、今日のこの時間はこれについて北京放送記者が中国現代国際関係研究院欧州研究所の馮仲平所長にインタビューを行った内容をご紹介します。
世界銀行が6月12日に発表した最新の世界経済展望報告書によりますと、欧州債務問題が投資や経済成長の見通しに影響し、世界経済は数年にわたって不安定な情勢に陥るだろうということです。
これについて、中国現代国際関係研究院欧州研究所の馮仲平所長は「第2次世界大戦以後、世界的な経済問題はほぼG7とその後のG8 サミットというプラットフォームで話し合われてきた。2008年に世界金融危機が起こってからは、新興経済体の大きな役割がますます際立っており、G20が世界経済の問題を議論する最も重要なプラットフォームとなったと言える。知っての通り、目下世界に大きな影響を及ぼしているのは欧州債務危機だ。おそらくこの問題が、今回のサミットの一番の話題となるだろう」との見方を示しています。
ところが、G20サミットは先進国と新興経済体が共に構築する対話メカニズムであることから、双方は欧州債務危機問題など自国の利益に関連する問題をめぐり、依然大きな見解の不一致が存在しています。これについて、馮仲平所長は「先進国と途上国は、それでもある程度の見解の一致はある。経済のグローバル化という背景の下で、一国が栄えれば他の国も利益を得ることができるが、一国が落ちぶれれば他の国も落ちぶれてしまうという点について、誰もが気づき始めている。欧州債務危機を抑えることができれば、各国にとってもメリットがある。もちろん、見解の不一致が存在するのも事実で、途上国は欧米諸国の貿易保護主義を懸念している。特に、アメリカの新たな量的緩和策への懸念が強まっている」と語っています。
また、中国の欧州債務危機に対する立場について馮仲平所長は「中国は欧州債務危機に非常に関心を持っている。中国最大の輸出市場であり、貿易パートナーとして、EUの債務危機は中国の輸出と経済成長に直接的な影響を及ぼしているからだ。中国が欧州債務危機においてEU側に政治的信頼と支援を提供することは極めて重要である」とした上で、「今回のサミットで欧州債務危機をめぐる合意に達する可能性は少ないが、今後の世界経済の中長期発展については成果が得られるだろう。各国の指導者は欧州諸国の指導者らにより大きな圧力を与え、EU側に団結して債務危機に対応するよう求めることが予測される」と述べました。
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