新しい中米関係の構築をテーマとする中米関係シンポジウムが12日北京で開催されました。中米友好協会会長、中国人民対外友好協会会長、アメリカのカーター元大統領、それにアメリカのゲーリー・ロック中国駐在大使及び両国の政界、学術界と産業界の代表らが出席し、新しい時期における中米間の戦略的相互信頼関係の構築などについて幅広く議論しました。で、今日は、このシンポジウムについての当放送局記者のリポートをご紹介しましょう。
中米両国は、世界最大の新興国と先進国として、その発展や対外戦略、また相互の関係は、世界の経済や政治にますます大きな影響を及ぼしています。しかし、日増しに密接になってくる経済協力と貿易、そして人的交流に比べ、両国間の戦略的な相互信頼関係はまだ遅れた状態にあり、特に、アメリカの台湾への武器売却、中国に対する保護貿易主義の実施などはその表れだと言えます。
これについて、ゲーリー・ロック中国駐在アメリカ大使は、「口頭だけでなく、実際の協力を通じてこそ、戦略的な相互信頼関係を構築することができる」として「世界の平和と安全を脅かす朝鮮問題やイラン問題、世界経済の衰退、それに地球の温暖化などに中米双方が共に対応していくことが最も重要だ。中米両国は多くの共通の利益を有している。国際問題の解決において両国が共同でリードしていくことを世界が期待しているし、事実上両国の協力なしでは解決できない問題が多くある。そしてこのような協力を通じてこそ、相互の不信感を取り除き、信頼関係を確立していけるものと信じている」と発言しました。
一方、中国社会科学院アメリカ問題研究所の黄平所長は、「中米両国が、軍事上と外交面で政治的な信頼関係を確立するのはかなり難しいことから、これを実現させるには、環境や金融、医療安全など非伝統的安全保障分野での信頼関係の確立からスタートさせ、そのあとで従来の安全保障分野における相互信頼を深めていくべきだ」としたあと(効果2)
「軍事、政治、価値観とイデオロギーなどの分野における相互信頼が欠けている状態はすぐに解決できるものではない。したがって非伝統的安全保障分野の協力が重要になってくる。これは中米両国だけでなく、世界的に言える問題だ。気候や環境、エネルギー、医療衛生などの分野における協力とウィンウィンの関係は、二国間だけでなく、その地域や世界の平和にも寄与できる。このような協力を通じてこそ、従来の安全保障分野における相互の不信感も徐々になくなっていく」と話しました。
いまから34年前に中米間の国交回復を経験したカーター元大統領は、「現在の中米間の政治、経済、文化などの分野における交流は、34年前とは比べものにならないほど進んでいる」と評価した上で、「これが相互信頼を強化するためのしっかりした基盤になる」と期待を寄せました。
今年は、中米国交回復40周年です。これまでいろいろとあった両国関係は絶えず前進してきており、今日の新しい歴史的スタートラインにたどり着きました。両国の共通利益はより多くなり、共通の責任がより重くなっています。政治的な相互信頼関係を強化してこそ両国関係をよりよくする新しい道が切り開かれていくのです。
「時事解説」、この時間は、このほど開かれた新しい中米関係の構築をテーマとするシンポジウムについてのリポートをお送りしました。
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