日本の第46回衆議院選挙の投票が16日に始まります。それによって、日本の政界の新しい構造が浮かび上がるでしょう。現在、各派の候補者が選挙の票をかき集めるために日本各地を奔走し、各自の理念を述べています。それに対して、日本の有権者たちはどのように見ているのか、中国国際放送局日本支局の王洋記者のリポートをお伝えします。
先月中旬、野田佳彦首相が「近いうちに」と述べた衆議院解散の約束を実行し、衆議院解散を前倒して総選挙が行われることになりました。この総選挙について、インタビューを受けた市民の多くが歓迎する考えを示しています。
神奈川県で教師を務める小松秀樹さんはこのように述べています。
「これだけ民主党がマニフェストに反したことをやってきた以上、民意を問うために選挙をやることは必要だったと思います。消費税についても、また子供手当てとか、いろんなことでマニフェストに違反したので」。
今回の総選挙には民主党、自民党など12の政党からおよそ1500人の候補者が参加することになります。今回は、1996年に日本が現行の選挙制度を実施してから、参選政党数の最も多い選挙でもあります。今回の選挙の特徴の一つは"混乱"です。各種新党の成立や合併に混乱が生じているばかりでなく、有権者も戸惑いを隠せません。東京の会社員田中健一さんはこのように話しています。
「集まってきて変わってないけれども、ラベルを変えてる。ラベルを変えて、売り出してるって感じなんです。それで、政策の方針なんですけれども、バランスの取れた政党を売りにしているね。例えば、高取得者に優しい、福祉、原発廃止など、色々明確なビジョンがあって、選択肢としては広がるんですね。ただ、それが実現していくという段階になっていくと恐らく、それだけではやっていけない政党が多いようです」。
今回の選挙に参加する各派の争議の焦点は、経済回復対策、核対策、消費税増税及び環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉などに集まっています。
アナリストは「今回の選挙では、民主党と自民党の政権争奪が最も注目される焦点だが、日本の民衆は政治に失望しており、民主党や自民党など歴史ある政党に不信感を抱いていることから、票は"ニューフェイス"である第三極勢力のほうへ流される可能性がある。これら第三極勢力も今後、日本の政界に大きな影響を与えるだろう」と分析しています。
世論は、「民主党は消費税増税などの問題めぐって党内で意見の食い違いが生じてから支持率の低迷が続いており、今回の選挙後、衆議院で過半数の席を維持するのが難しくなる可能性がある。それに対して、保守化しつつある自民党がより多くの保守派の支持を得て、与党になる可能性が高まっている」としています。
しかし、中学で教鞭を執っている菅原敦子先生は、自民党の保守政策によって、今後、日本と周辺国家との関係が悪化することに懸念を示しています。
「もっと柔らかに日本はやっていくべきではないかと思うんですね。政治、経済とかも、ほかの国に敵対しても、意味というか発展はしないと思うので、ほかの国とかと折り合いをつけるというか仲良くしながら発展していく国にしてほしいなと思います」。
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