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中国のエネルギー白書、「中国は世界のエネルギーの安全供給の脅威ではない」

2012-10-24 22:11:29     cri    

 中国国務院報道弁公室は24日に発表された『中国のエネルギー政策(2012)』白書の中で、「中国はこれまでに一度も世界のエネルギーの安全確保を脅かしたことはなく、今後も脅威になることはない」と強調しています。白書は、中国は引き続きエネルギーの持続可能な発展を堅持、国際協力を一層強化し、効率と消費総量という二つの面からエネルギーのコントロールを行っていくと表明しました。また、人々の生活の改善、科学技術によるイノベーション及び環境の保全が白書の重点となっています。専門家は、このタイミングで白書を発表したことは、中国の誠意をはっきりと表したものだと見ています。同時に、エネルギー開発の民間資本向けの開放という内容から「中国のエネルギー市場の体制、メカニズムが整備されつつある」という見方を示しています。

 中国が国の名義でエネルギー関連の公文書を発表するのは、今回で2回目になります。白書は11部分、計1万7000字あまりからなっており、中国のエネルギー利用の現状、エネルギー発展の政策と目標、省エネの全面的展開、新エネルギーと再生可能エネルギーの飛躍的な発展、化石エネルギーのクリーンな発展の推進、エネルギーのサービスレベルの向上、関連技術の進歩の加速化、エネルギー体制改革及びエネルギーの国際協力の政策強化などを詳しく紹介しています。

 白書によりますと、現在、中国はすでに世界最大のエネルギー生産国となっており、石炭、電力、石油、天然ガスおよび新エネルギー、再生可能エネルギーの併存というエネルギー供給体系が出来上がっています。中国は絶えず省エネや排出削減の度合いを引き上げ、エネルギー利用率の向上に努めた結果、GDP(国内総生産)あたりのエネルギー消費が年を追うごとに下がっています。1981年から2011年までの間、中国は年平均5.82%増のエネルギー消費で年率10%の経済成長を支えてきました。2006年から2011年、1万元あたりのGDPにかかるエネルギーの消費量が累計、20%余り下がり、7.1億トン標準石炭の省エネ効果を得ることができました。

 また、世界最大のエネルギー生産国として、中国は主として自国の力でエネルギーの供給を確保し、エネルギーの自給率は終始、90%前後を保っています。しかし、一方で、中国はエネルギーの発展において数多くのチャレンジにもさらされていることが指摘されています。例えば、エネルギーと資源の人口あたりの埋蔵量は多くなく、石炭、石油、天然ガスの1人当たりの保有量はそれぞれ、世界平均のわずか67%、5.4%と7.5%にしか達していません。また、一人当たりのエネルギー消費も先進国のわずか3分の1程度に止まっており、低いレベルのままです。白書は、中国のエネルギー消費総量は近年、著しく伸びており、エネルギー供給の圧力が増えていることを指摘しています。その上で、化石エネルギーの大規模な開発利用が生態環境に一定の影響を及ぼしていることにも言及しています。

 更に白書は、今後しばらくの間、中国は引き続き工業化、都市化と言う高度成長にあるため、エネルギー需要は引き続き伸びていき、供給確保が益々厳しくなっていくという見方を示しています。

 また、中国のエネルギー対外依存度が今世紀初めの32%から現在の57%に伸びている現状を鑑み、中国のエネルギー備蓄の規模は小さく、応急能力が比較的弱く、エネルギーの安全情勢は厳しいものであると指摘しています。

 こうした状況を受け、白書は「中国はエネルギー分野での改革を断固として推進し、関連の法整備も加速していく」としています。それによりますと、「中国は今、石油、天然ガス及び原子力などに関する立法作業を進めている最中だ。また、国のエネルギー計画に指定されたプロジェクトでも、法律法規で明確に禁止されたもの以外、すべて民間に開放していく」としています。

 また、国際エネルギー協力に向けた中国の取り組みについて、白書は「中国とアメリカ、EU(欧州連合)、日本、ロシア、カザフスタンなどの国と地域とは、エネルギー対話と協力メカニズムを確立している。中国はエネルギー分野において対外開放と外資投資環境の最適化を堅持している。同時に、中国のエネルギー企業も国際的なエネルギー協力に積極的に参与している。中国企業が海外で投資し、共同開発したエネルギー資源の90%は現地で販売されていることから、グローバル市場への供給を増やした」としています。

 白書はさらに、中国は今後、国際社会と対話と交流を強め、エネルギーの実務的な協力を展開し、世界のエネルギーの安全性の確保に尽力していくと強調しました。また、中国は重要な国際的エネルギー問題の解決には対話と協議を用いるべきで、エネルギー問題を政治化したり、武力に訴えて紛争を引き起こしてはならないと主張しています。(Yan、高橋)

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