欧米債務危機が続き、世界経済の回復は緩慢で、国際市場は需要不足という情勢において、多くの人が世界経済を救う役を中国に押し付けようとしており、依然すばやい成長を続ける世界第二の経済体として、中国が世界経済の回復の過程で主導的な役割を果たすことを願っています。
閉幕したばかりのロスカボスG20第7回サミットでも、国際社会から似たような声が上がりました。一部では、中国が世界の舞台に上がることを躊躇し、負うべきの国際責任を積極的に負っていないとする声もあります。
しかし、中国に対する期待も批判も、現実的ではありません。
中国経済はすばやい成長を続けていますが、中国は依然として発展途上国です。本当の意味で世界の経済大国になるには、まだ遠い道のりがあります。中国の1人あたりのGDPは世界で100位前後に止まり、経済が発展する上で直面する資源、環境、人口の問題、および外部市場の低調などの問題が今尚深刻です。これらの問題を解決するには、長い時間と気力が必要とされます。このほか、例え中国が世界経済の回復において積極的な役割を果たしたいと願っても、その実行にはさまざまな問題が存在します。保護主義や中国に対する偏見、誤解により、中国は世界各地で投資行為を制限され、中国の発展のため必要なハイテク製品の輸入も様々な制限を受けています。確かに、中国は目下世界でも外貨準備が最も多い国ですが、これらの資金を外債の購入に全てつぎ込むわけにはいきません。中国は開放的な姿勢で世界経済の回復において積極的な役割を果たせるよう努めて行きますが、より多くの国が誠意を示す事を求めています。世界経済の回復がもたらす利益を中国も共に享受することができるよう、国際社会は中国の投資と貿易に一層の利便性を与え、成長価値のある分野で中国がより多くの投資を行えるよう取り組むべきです。
このほど、アメリカの非営利調査機関ピュー・リサーチ・センターが発表したアンケート調査の結果によりますと、中国はすでに「米国を超え、世界経済をけん引する国となった」と認識されているということです。これは中国の実際の発展レベルを誇張し、中国が世界経済の回復の過程に果たすべき役割に誤解を生むものとなり兼ねません。
客観的に言うと、中国は自国の経済の発展レベルと国際的な地位に相応した国際責任しか負うことができません。また、中国が負うべき責任は、中国が世界経済の管理や政策決定の際の発言権に伴うものであるべきです。複雑かつ深刻な世界経済の情勢に直面する世界各国は、団結して心をひとつにし、共に前進していかなければなりません。中国は自らの発展に努めると同時に、世界との協力も強化していきます。しかし、世界経済を救う役を中国に押し付けることは、実情に合わない一方的な願望に過ぎません。中国は目下、それに相応する実力も備えていないと言えます。(陳博)
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