今年の世界経済フォーラム年次総会・ダボス会議が25日午後、スイスのダボスで開幕しました。世界経済の継続的な低迷を背景に、今年のダボス会議は、大きな注目を集めています。
今年のダボス会議のテーマは「大いなる変革と新たなモデルの構築」とされ、100あまりの国と地域から、政界、財界、学術関係者、NGO組織など、約2600人の代表が参加しています。
開会式では、世界経済フォーラムの創設者シュワブ会長が挨拶し、「世界経済が低迷する中で、ダボス会議は国際的なプラットフォームを提供する。今後5日間、ここで、現在解決を迫られている問題はもちろん、長期的な計画に関しても、新しい概念とモデル作りに努力しよう」と訴えました。
次いで、ドイツのメルケル首相が、演説しました。2007年の年次総会に続き2回目で、30分の演説の内容は、ヨーロッパの問題と未来についてでした。その中で、メルケル首相は、「ヨーロッパには、国家債務危機、競争力の低下など、多くの問題が存在している。ユーロ制を導入したが、ユーロ制を実行する際の保障制度がない。金融危機は最初にアメリカで発生したが、ヨーロッパは大きな影響を受けている。これは、ヨーロッパの構造的な問題が日増しに厳しくなっていることを明るみに出した」と語り、「ヨーロッパが前進するためには、建設を強化しなければならない」と強調し、以下の提案をしました。初めに、予算では、厳格な政策を制定し、予算を憲法に組み入れると共に、欧州委員会の監督を受けること。次に、競争と就業の問題を解決すること。最後に、団結して共存することです。メルケル首相は特に、「欧州連合の有効性を確保するため、欧州各国は権利を欧州に渡すべきだ。また、各国はそれぞれ制定した政策を遵守し、欧州の一体化と融合を保障すべきだ」と強調しました。
開会式に先立ち、一部のフォーラムはすでに始まっています。この日は、あわせて50の会議が開かれ、議題は、経済、金融、安全、人口増加、持続可能な発展など多方面に渉りました。数年間、続く金融危機をきっかけに、西側資本主義国の人々はあらためて深く思索をめぐらしており、資本主義の発展モデルも今回のダボス会議の重要な議題となっています。
また、同じ日、「世界経済ブレーンストーミング」と題した討論会が行われ、世界各国の学者、ビジネス界のリーダー40人が出席しました。ビジネス、コンプライアンス、リーダーシップなどの面から、社会におけるビジネスの地位と役割、企業の社会的責任について討議しました。
予定では、今回のダボス会議は、200以上のシンポジウムが開催される予定です。これにより具体的な成果は出ないかもしれませんが、ここでの討論は、未来の世界発展への新しい考え方を誘発するはずです。(イツゴウ、大野)
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