欧州連合(EU)による航空炭素排出税の強制的な徴収は、多くの国の抵抗を受けています。中国の「人民日報」紙は10日、評論を発表し、「これは環境保護を口実に発展途上国の利益を犠牲にするやり方だ」と述べています。
この評論は、「二酸化炭素排出税の徴収は、環境保護の問題だけではなく、経済の問題であり、政治の問題でもある。いかなる環境保護の基準を策定するにも、発展途上国の利益を考慮し、気候変動分野において国際社会が従うべき『共通だが差異のある責任』と言う原則を堅持すべきだ。自己の比較優位性を利用して、その他の経済体に同じように納税を要求するのは、発展途上国の航空事業の発展を扼殺するものだ。EUの航空炭素排出税における年度無料割り当て分には欺瞞性がある。EU諸国の航空業は非常に成熟しているため、無料割り当て分による利益を最大限受けることができる。一方、発展途上国の航空業はスタートが遅れ、現在、急速な発展段階にあり、歴史的な排出量が少ないため、発展を図るには、高い排出税を支払わなければならない。これは著しく不公平だ」と指摘しています。
この評論はまた、「国際民間航空機関(ICAO)はすでに、2014年までに国際的な二酸化炭素排出取引システムを構築することを提案している。多国間の枠組で十分な交渉を通じて国際航空排出問題を解決し、自国の規則を他人に強制的に押し付けないことが正しい解決の筋道だ。最終的な基準がどうなるにせよ、発展途上国の発展する権利を必ず尊重すべきだ」としています。(董燕華、大野)
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