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日韓首脳会合、主に金融経済問題を協議

2011-10-20 15:30:13     cri    

 日本の野田佳彦首相はこの18日と19日、韓国を公式訪問しました。日韓関係がドクト(日本名:竹島)、歴史教科書と慰安婦などの問題で行き詰まっている中で、両国の首脳は、両国間の政治問題をさけて議論の内容を経済問題に集中させたと見られています。

 今回の韓国公式訪問は、野田佳彦氏が首相に就任した後の初めての韓国訪問であり、首相就任後の初めての外国訪問でもあります。、韓国を初の外国訪問先にした理由について、野田首相は、日本と韓国は共同の価値観と共同の利益を持ち、両国関係の進展は極めて重要だとの考えを示しました。

 今回、野田首相が韓国訪問で収めた最大の成果は、双方が経済と金融分野における協力を実質に進展させたことです。韓国の中央銀行である韓国銀行と企画予算庁は19日「両国間の通貨交換スワップ枠を現在の130億ドルから700億ドルに上げることで合意した」と発表しました。

 ところでヨーロッパの債務危機などによって、世界経済には不安定な要素が増えてきています。これに対応するため両国の首脳は、金融市場の安定を図るには、金融と通貨分野での両国の協力が不可欠だということで合意しました。韓国のイ・ミョンバク大統領は、部品、原材料などの分野で両国企業間の協力を強化し、日本経済の不景気からの脱出をサポートすると日本側と約束しました。

 また両国の首脳は、日本と韓国の自由貿易協定に関する交渉再開についても意見を交わしました。これについて日本側は、不景気のため、自由貿易協定の締結に積極的な態度を示しています。しかし、韓国の世論は、両国の間には政治的な不安定な要素がまだ存しているなかで、韓国と日本が自由貿易協定の締結に向けた実質的な交渉に入るのはまだ早い。日本が積極的な態度をとっている背景には、アメリカ議会が韓国との自由貿易協定を承認しているからだという非難の声も上がっています。

 双方は金融と経済分野で成果をおさめたものの、政治問題はわざと避けました。今回の首脳会談で取り上げられた唯一の政治問題は、19日の会合で野田佳彦首相が、日本が朝鮮半島を殖民地支配した時代に奪った珍しい5冊の書籍を韓国に返したことです。しかし、両国間にある歴史教科書の問題、慰安婦問題と領土問題などは首脳会談の議題にはなっていませんでした。首脳会合あとの共同記者会見で、イ・ミョンバク大統領は、韓国と日本が緊密な協力を行うことは北東アジア地域の平和と繁栄にとっては非常に重要で、双方は共に努力して、21世紀における新しい韓日関係を構築していくことで合意したと述べた後、「両国は、『歴史を忘れず、未来に目を向ける』ことを両国関係発展の基盤にするべきだ。この点で日本はより一層の努力を払わなければならない」と強調しました。これに対して野田佳彦首相は「両国関係はたまたま困難にぶつかったが、両国の首脳が大局的見地に立ち、発展という理念をもって両国関係を処理すれば、すべての問題は解決できる」と述べました。

 来年、韓国では大統領選が行われるため、イ・ミョンバク政権は、日韓関係を不適切に処理することにより与党へマイナスの影響を及ぼすことを懸念しています。また日本側は、東日本大震災以降、復興が難しさと国内の政治上での苦境という問題を抱えており、外交分野での難関打開をかなり期待しています。 

 以上が、両国の首脳が今回会合で政治問題に触れなかった理由だと関係筋は指摘しました。韓国メディアの報道によりますと、イ・ミョンバク大統領は12月に日本を訪問するということで、日韓双方とも今回の首脳会合で収めた成果だけをを強調しているということです。

 国際問題のアナリストは、日本と韓国の関係の基盤は相変わらず脆く、主要な政治問題が徹底的に解決されなければ、両国の関係がいつ悪化してもおかしくはないと指摘しました。(任春生)

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