中国税関総局は10日、去年の貿易データーを公表しました。それによりますと、去年の中国の貿易総額は一昨年より34.7%増加し、2兆9727億6000万ドルに達し、黒字額は1831億ドルで、6.4%減少し、3年連続して減ったとしています。また一昨々年、つまり2008年の黒字増加率は11.6%で、去年は6.2%だったとしています。
清華大学中国世界経済研究センターの袁鋼明研究員は記者のインタビューに答え「貿易黒字が減り、一般貿易の輸出入が急速に増えたことは、中国の貿易成長方式の転換および輸出入のバランスを目指す上で初歩的な成果を上げたことを物語っている」としたあと、「このような進展は中国の今後の発展方向に見合ったもので、国際的な圧力を緩和させ、国内の経済構造の調整にとっては重要な意義がある。中国は輸出入のバランスを取る点では多くの困難を抱えている。長年来の輸出に依存する状態を形成した中国にとって、輸出の減少は国内の就業と生産成長に影響しており、このなかで黒字額を減らさなければ、国際的な圧力と貿易摩擦はより大きくなるだろう。さらに、輸出依存という状態を内需拡大に転換する必要性も注目すべきだ」と述べました。
中国の貿易はすでに国際金融危機前のレベルに回復し、去年の1月から11月までの輸出入総額は、これまでの最高となった2008年の2兆5600万ドルを上回りました。そのうち、一般貿易の輸出入額は4割増え、1兆4887億1000万ドルに達し、加工貿易額は50%減少しました。
二国間貿易のうち、中国とアメリカや日本、それにEU・欧州連合など先進国との貿易増加率は中国とインド、ブラジルやロシアなどとの貿易増加率に遅れを取っています。これについて袁鋼明研究員は、「振興国との貿易を発展させることには2つの意義がある。これは先進国以外の市場を発展させるだけでなく、振興国内部の全般的な発展にもプラスとなる。これらの国は中国と同じような経済的地位にあり、貿易の発展はこれらの国との共同の発展および世界のより均衡的な発展にプラスとなる」と述べました。
袁鋼明研究員は更に、「今年、中国貿易は新たな成長を見せるだろう」と述べたあと、「全般的に言えば、中国は安定した発展を保つための輸出入という貿易方針を堅持すると共に、バランスの取れた輸出入を目指す調整を進めていく。過ぎ去った1年に、この面ですでに著しい成果を挙げた。今後、二国間貿易はより急速に発展し、世界経済の回復は一段と速まり、世界的な貿易と協力はより順調にすすむだろう。中国の今年の輸出入状況は去年より良くなるだろう」と話していました。(翻訳:董燕華)
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