「中国発展ハイレベルフォーラム」の年次総会が21日、北京で開幕しました。今回フォーラムのテーマは「中国と世界の経済:成長・調整と協力」です。世界経済が金融危機のマイナス影響から徐々に抜け出しているにも関わらず、不安定な要素はまだ存在しています。そんな中、経済構造の調整、経済成長方式の転換を図る中国の努力は、今回フォーラムの中心議題として注目されています。
去年、中国の経済成長を支えてきた輸出産業は金融危機の影響をうけ、輸出高が前年より16%も激減し、GDPに占めるその割合が数十年ぶりに3.9ポイント下がりました。一方、国の経済刺激策によって起こった通貨の過剰な流動や資産バブルも懸念されています。また、企業の革新力の不足、一部産業で見られる過剰な生産、それに医療、教育、住宅、所得配分などで生まれた諸問題は迅速な解決が必要となっています。
そのため、中国政府は、経済の安定した成長を確保するとともに、成長方式の転換と構造の調整に重点を置くことにしました。これについて、李克強副首相はこのフォーラムの開幕式で行なった基調演説の中で、「金融危機のあと世界経済が好転するのに伴い、中国経済のリスク対応能力を強化させるにしても、または中国経済の当面の回復振りを強固なものにするにしても、経済運行に見られる深刻な矛盾を解決するには、経済成長方式の転換を加速させ、経済構造の調整を強化しなければならない」と強調しました。
李克強副首相はさらに、「内需拡大は、経済成長における立脚点であり長期的な戦略方針となっている。中国は内需拡大、特に住民の消費ニーズの拡大を堅持するとともに、就職、養老、教育、医療と住宅などの社会保障システムを完備させていく」と表明しました。
世界銀行のデヴァン副総裁は、金融危機に対する中国の対応策を評価するとともに、「中国は外需を補足するため、新しく持続的な内需を確保しなければならない。消費、特にサービス業での消費は拡大すべきだ。今後15年から20年の間、10億人が都市部に住み着くようになるだろう。都市化は中国の将来にかかわる極めて重要な問題だ。技術の革新が非常に必要となり、技術産業の発展につれて、高付加価値の製品は多くの輸出先を持つようになるだろう」と話しました。
アジア開発銀行の黒田東彦総裁は、経済成長方式の転換は中国経済の持続的な発展にプラスになるとともに、アジアひいては世界経済における中国の影響力を高めるとした上で、「地域的な協力と一体化はアジアの発展にはとても重要だ。中国はその過程でリーダー的な役割を果たせるだろう。中国は、地域と世界の経済成長におけるバランス調整のため、新たな成長ポイントを生み出すと約束しており、アジア開発銀行は、包容性のある、環境にやさしい、また持続的に発展できるアジア太平洋地域の経済成長を促すため、中国との協力を望んでいる」と述べました。
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