中国は昨年、景気刺激策により経済成長率8.7%を達成しました。特に、経済の急成長を中心とした刺激策は国民生活の問題の緩和にもつながりました。開催中の全人代・全国人民代表大会によりますと、今年、景気が好転する背景に中国は、マクロ調整の重点として国民の生活問題の改善にさらに力を入れていく方針です。
第11期全人代第3回会議は6日、記者会見が開かれました。この中で、中国国家発展改革委員会の張平主任は、昨年の国民生活の状況について「生活保障と改善の面で昨年は著しい成果を上げた。国民はさまざまな利益を得ている。まず、雇用の改善。都市部では1102万人の就職問題を解決し、昨年年初に定めた目標を上回った。次は社会保障の改善。基礎養老保険制度と基礎医療保険制度がより改善されて、保険の加入者数がさらに増えた。それから教育の平等問題。私たちは義務教育での補助金政策を着実に実施した上で、中等専門教育や職業教育などで農村の貧困者を対象に学費の免除や補助などの政策を行ってきた。医療衛生面も改善された。新しい医療衛生体制改革により、"看病難、看病貴"(いい医療サービスが受けられない、医療費が高い)の問題も緩和された」と語りました。
温家宝首相が5日に行った政府活動報告の中にも、「国民生活の改善は経済発展の根本的な目的だ。今年はさらに国民生活の改善に力を入れる」という内容が盛り込まれています。
今年、中央政府は財政的に国民の生活問題の改善をどのように行っていくのでしょうか?6日の記者会見で、中国の謝旭人財政相は「今年、中央政府は公共投資として9927億元(約13兆円)を拠出する予定だ。この資金は主として、農業用インフラ施設、農村の生活プロジェクト、生活保護住宅(低収入者向けの住宅)の建設、教育・医療衛生・文化など社会事業の発展、省エネ・環境保全の推進、及び企業改革と産業調整に投入される。国民生活問題の改善を確実に進めるために財政支出の適正化をはかる。一方で、公共サービス分野への投資も増やすだろう」と述べました。
温首相の政府活動報告は所得の配分問題についても詳しく説明しました。この中で「合理性のある所得配分制度は、公平性や正義感の現れである。経済発展を梃子に、社会の富を合理的に配分しなければならない」としています。
6日の記者会見で、張平主任は所得配分の制度改革の具体策について「まず、都市と農村住民の収入を高める必要がある。特に、低所得層の収入レベルを高めること。都市部では、企業従業員の賃金保障体制を実施し、経済情勢に合わせて最低賃金水準を調整すべきだ。税収体制の改革も進めていく。また、低所得層への援助を強化し、養老保険の給付金の基準や、優先対象の基準を常に調整していく」と述べました。(翻訳:コオリ・ミン)
| ||||
© China Radio International.CRI. All Rights Reserved. 16A Shijingshan Road, Beijing, China. 100040 |