今年1月、日本のトヨタ自動車が、アメリカ市場で大規模リコールを行い、自動車製造業に波紋をもたらしました。一方、中国でも同様に、トヨタのリコール問題はマスコミからの注目を集めており、消費者からはトヨタ車の安全性を心配する声も上がっています。今回のリコール問題は、中国の自動車産業にも多くの示唆をもたらしました。そこで、今日の中国リポートは、全人代・全国人民代表大会を取材しあ際、明らかになった、代表たちのトヨタリコール問題に対する認識についてお伝えします。
今年1月、トヨタは2回にわたり、アメリカ市場で大規模リコールを行いました。これは消費者およびトヨタ自身に大きな損失をもたらしました。では、なぜこのような大規模リコールが起こったのでしょうか。今回のリコール問題は、中国の自動車企業にも多くの示唆をもたらしました。
全人代代表でもある、安徽省江淮自動車有限会社の左延安総経理は「トヨタのような大企業がこんな低レベルなミスを犯したことが不思議だ。今回の一件は中国の自動車製造業にも警鐘を鳴らしている」と語り、「根本的な原因は、規模拡大のスピードが速すぎたことにある。利益の追求し過ぎたために、生産速度が加速し、研究開発のサイクルが短くなってしまったのだ」とリコール問題の原因を分析しました。
全人代代表で第一自動車生産会社の職人・王洪軍さんは、規模拡張と生産の間にある矛盾をうまく解決できなかったことに原因があると指摘しました。王洪軍さんは、「主な原因は生産者にある。人材の開発が規模拡大についていかなったために起こった」と語りました。
ブランド・イメージを回復するために、トヨタ社長は、アメリカ国会で謝罪し、北京でも説明会を開きました。
広州自動車生産会社の曽慶洪取締役はトヨタとの合弁会社・広州トヨタについて、「広州自動車生産会社、および広州トヨタはいずれも影響を受けていない。オーダーが次々と来ている」と語りました。
トヨタのリコール問題は、中国に影響があるかどうかに関わらず、中国の自動車製造業に大きな示唆をもたらしました。
安徽省江淮自動車有限会社の左延安総経理は「品質管理を永遠に怠らないことが今回の最大の教訓だ」と述べ 、「企業は、創業当初の辛さを忘れてはいけない。持続可能な発展を実現するためには、品質とアフターサービスを徹底することが必要だ」と語りました。
広州自動車生産会社の曽慶洪取締役は「トヨタのような100年の歴史を持つ世界的な自動車企業でさえ、このような大規模なリコール問題が起きたのだから、ほかの企業も安全に関わる潜在的な問題を抱えているはずだ」と指摘し、「故障車をリコールするのは、企業の社会責任であり、消費者の利益を保護する措置だ。中国はリコール体制の充実化をはかるとともに、自動車事故の判定基準などを改善するべきだ」と呼びかけました。
去年、中国の自動車生産台数と販売台数は合わせて1000台を超えました。トヨタのリコール問題は、急速に発展する中国自動車製造業にとっても、多くの示唆をもたらしました。それは、品質第一を貫き、品質とサービスを前提とした上で利益を追求するということです。そうでなければ、消費者は安心して車を運転することができないですし、企業も持続的な発展を遂げることはできません。
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