世界最大手の自動車メーカー日本のトヨタ自動車の、アクセルぺダルの不具合によるリコールが拡大しています。これを受けて、トヨタ社の豊田章男社長は17日、東京で記者会見し、新型ハイブリッド車のプリウスについても2車種をリコールするとともに、品質の向上をめざして4つの改善措置を打ち出すと明らかにしました。
トヨタ社にとって、今回の会見は、リコールをめぐる3回目の会見です。アメリカ政府がトヨタ社に対して調査を行うと公表したこともあって、会場には300人を超える記者が集まり、外国首脳の記者会見時の人数を超えていました。豊田章男社長は会見中、厳しい表情でしたが、これまでのようにお辞儀をして陳謝する代わりに、プリウスの新モデル車などのリコールの進展が順調であることを強調しました。
今回のリコールの焦点の一つは、フロアマットの不具合です。アメリカは調査報告で、運転者の意思に反して急に加速し、2000年から34人の死亡を招いたおそれがあるとしています。これに対して、豊田章男社長は、「電子スロットル制御システムは、多くのセンサーによる幾重ものフェイルセーフシステムが組み込まれている。システム異常の場合は、アイドリングまたはエンジンストップに戻るよう制御されている。決して加速の方向に動くものではない」とし、安全問題を断固否認しました。
しかし、今の豊田社は多くの危機に直面しています。ここ1カ月、東京株式市場で、豊田の株価の下落幅は20%以上になっているとともに、販売台数も16%下がっています。同時に日本にとって最大の販売市場のアメリカは、豊田車への調査をまもなく始めると発表しました。アメリカ政府は16日、豊田社に書簡を送り、最近行われた大規模なリコールに関する書類を提出するよう求めた上、いつフロアマットやアクセルペダルの不具合が判明したか、そしてその対策をアメリカ政府に説明すべきだとしています。アメリカの議会両院も、近いうち公聴会を開き、政府担当者と豊田の責任者を呼ぶことにしています。
今回の信用危機に対して、豊田章男社長は、ここ数年品質管理の人材育成を怠っていたとの見方を示しました。そして品質に関する4つの改善措置を出しました。①自ら指導し、各地域から選ばれた品質管理者のトップからなる「世界特別品質委員会」を設置します。②各地域の顧客と本部の品質開発部門との連絡を強化します。③今後世界で販売されるトヨタのすてべの車種に、アクセルとブレーキが同時に踏まれた際に、ブレーキの動作を優先するシステム、「ブレーキ・オーバーライド・システム」という装置を追加します。④これまでの車種に搭載されたEDR・イベント・データ・レコーダーをより積極的に活用します。
中国では、豊田の自動車は、そのコマーシャルに使われたフレーズ、「麓にはきっと道がある。そこに道があるかぎり豊田がある」が、深く親しまれています。豊田の今回の取り組みが窮地からの脱出に繋がるかどうか注目されます。(朱丹陽)
| ||||
© China Radio International.CRI. All Rights Reserved. 16A Shijingshan Road, Beijing, China. 100040 |