トヨタ自動車の大量リコール問題で豊田章男社長が24日アメリカ議会の公聴会に出席しました。これはアメリカのメディアから盛んに報道され、注目されました。豊田社長の謝罪はリコール危機を一体救えるのでしょうか。
トヨタのリコール問題をめぐる公聴会は3回にわたってアメリカ議会の3つの委員会で行われることになっています。初めての公聴会は現地時間の23日、アメリカ議会下院のエネルギー・商業委員会で始まりました。翌日の24日、豊田章男社長はアメリカ議会の公聴会に出席しました。さらにアメリカ議会の上院商業委員会は3月2日に、3回目となる公聴会を開く予定です。
公聴会は、豊田章男社長はまず英語で証言を読み上げ、続いて通訳を介して日本語で質問に答えました。証言の中で豊田章男社長は、「過去数年、急激に業容を拡大してきたが、率直に申し上げて、その成長のスピードは速すぎたと感じている。安全性や品質を重んじるトヨタ経営の優先順位が崩れていた」として、事業の拡大を優先するあまり、安全や品質の確保が不十分になっていたことを率直に認めました。
一方、豊田章男社長の謝罪に対して、アメリカ議会とメディアは受け入れの姿勢を示しました。主要テレビ局のニュースでは、豊田章男社長が右手を挙げて、述べたことは真実であり、深く謝罪するとアメリカ議会に誓ったという画面が繰り返し放送されました。
しかしながら、謝罪の態度が受け入れられたものの、リコール問題は依然と未解決のままになっています。「謝罪だけでなく、最も大事なのは如何に安全問題を解決することだ」という大衆の声が上がっています。この点について、豊田章男社長からは明確な答えを出しませんでした。特に電子制御システムに問題はなかったかなどについて、疑問が残ったままです。
現在のところ、トヨタのリコール車は850万台に上り、そのうちの半分以上はアメリカにあります。毎日5万台といういまの修理スピードで計算しても、全部の修理が終わるまでかなりの時間がかかります。それと同時に、トヨタ自動車のアメリカ市場での販売量が大幅に減り、今年の1月は9万9000台で、月間販売量として12年ぶりに10万台を切り、昨年の同じ時期に比べ15.8%も減少しました。
実際のところ、トヨタのリコール問題はすでに自動車業界を超えて社会問題になっています。アメリカ運輸省に所属する道路交通安全局は監督が不十分であることで非難を受けているほか、トヨタ車のアクセルペダル欠陥のことがしばしばアメリカの赤字の深刻化など政治経済問題の事例として取り挙げられています。
トヨタがアメリカで工場や販売店を通じ20万人近い雇用を生み出していることでアメリカ社会に貢献しているとは言え、先日の「ウォールストリートジャーナル」の世論調査では、7割の人は豊田章男社長の謝罪はトヨタを救えないと答えています。(閣、国清)
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