【観察眼】大金をはたいてガラクタを買い、本当に安全を手にできるのか

2024-09-21 14:16:03  CRI

 過ぎたばかりの中秋節は、元々は世界中の中国人が家族で団らんし、月を見ながら秋を楽しむ伝統的な祝日だった。だが米国から、そんな祝日にそぐわない声が聞こえてきた。米国防安全保障協力局は16日、米国務省が台湾への戦闘機売却に必要となる予備部品と技術支援案を承認したと発表した。金額は約2億2800万ドルで、バイデン政権の発足以来16回目の台湾への武器売却である。

 まず、アメリカの対台湾武器売却についてまとめてみよう。米国は1979年に台湾と「国交断絶」して以来の45年間で、台湾への武器売却は110回を越えると発表している。米国の台湾への武器売却受注残高は2023年の時点で190億ドルに上っており、歴史上前例がない金額になっている。

 これほど膨大な武器売却は台湾海峡の情勢に安定をもたらすことができるのか。そうではないことは事実が示している。米国が支援してきた数々の代理戦争を見てみると、米国は平和を目指しているわけではなく、武器売却などにより、戦争を通じて経済的利益を強奪し、同時に戦争に参加する当事者を消耗させ、弱体化させようとしていることが分かる。現在戦争のただ中にあるウクライナとロシアの例をみれば明らかだ。米国はウクライナに大量の武器を提供したが、それはウクライナに平和をもたらすのではなく、戦争を長引かせ、国民に塗炭の苦しみをなめさせることになった。

 ならば、米国の対台湾武器売却には一体どんな企みがあるのだろうか。今回の台湾への武器売却について、米国防安全保障協力局は、売却した部品は元々米国の軍事在庫であって、兵器メーカーに別途発注して生産する必要のないものであると指摘した。これについては、台湾島内の人々も疑問を抱いている。バイデン政権は先日、初めていわゆる「大統領権限」を発動し、台湾に総額3億4500万ドルの武器売却を行った。だが、米国からの武器はカビが生えて湿っていただけでなく、数量がかなり合わないケースもあり、銃器や弾薬でさえも深刻な期限切れのものがあった。米国防総省の関係機関が11日に発表した報告書によると、米国が昨年12月に台湾に提供したいわゆる軍事支援物資は、カビが生えたボディーアーマー500枚と防弾パネル3000枚、乱雑に包装された弾薬、さらには1983年に製造された弾丸も270万発を数えるなど、使い物にならないものばかりだった。これについては、米国防総省も「米国の継続的な支援に対する台湾の信頼に影響を与える可能性がある」としている。国民党の元「議員」、蔡正元氏は、米国は台湾を「ガラクタの回収ステーション」にしていると指摘した。

 だが、民進党当局は米国からの武器に執着している。当局は、来年の予算を3兆新台湾ドル(約13兆2000億円)に引き上げ、そのうち「防衛予算」は過去最高の6300億新台湾ドル(約2兆7700億円)とすると発表した。こうした予算は、多額な財政債務を生みだし、台湾の人々に重い経済的負担をかけることになる。台湾が大金をはたいてガラクタを買い、島内の人々を苦しめるばかりか、実は米国の期限切れの在庫整理に寄与する愚か者になりかねないことを心配せずにはいられない。

 台湾当局は、米国から絶えず武器や装備品が供給されることで「台湾独立」にとっても心強いと思っているが、米国にとっては、これまでも狙いは利益だけである。大金を惜しまずに武器を買ってくれる買い手がいるのだから、米国の軍産複合体が喜ばないはずがない。ただ台湾の人々にとっては、血税がこのように浪費されているどころか、危険にさらされる可能性がより高くなるのである。(CRI評論員)

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