北京
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491万台!これは2023年に中国が輸出した自動車の台数で、日本を抜いて世界1位になる見通しだ。20年前、誰がこんなことを予想しただろうか。
これは「中国経済崩壊論」を口ずさんでいる一部の西側メディアにとっては、目にしたくないニュースだろう。「中国産の自動車は廉価で、アフリカや東南アジアの貧しい地域にしか売れない」「中国産自動車の輸出増加は米国によるロシア制裁のおかげだ。ロシアへばかり輸出している」などの声が上がっている。さらに、日本の一部右翼ジャーナリストは、「中国の自動車は外国の技術をパクって発展してきた」とでたらめな発言をしている。存在感を高める中国産の自動車からかなりのショックを受けたらしい。
実際はどうだろう。次のデータから見てみよう。
中国産自動車の過去3年間の輸出データを調べてみて、あることに気付いた。2021年以降、中国産自動車の輸出伸び幅ランキングで上位に並んだ国と地区に、ドイツ、英国、イタリア、フランス、日本の国名が見られるようになった。いずれも自動車製造分野の強国である。特に、2021年には日本に輸出された中国産自動車は前年同期比9倍近い891%の伸びを示し、ランキングで第7位となった。
2022年のデータで見ると、中国産自動車の輸出伸び幅ランキングのトップ3は、スペイン(2412%増)、アイスランド(2246%増)、クロアチア(1213%増)で、いずれも世界銀行が定めた収入レベルで高所得国家に当たる。しかもその年に中国から輸出された自動車の約半分近く(49.6%)は高所得国家と地区に販売されたものだ。
さらに2023年のデータを見ると、ロシアに輸出された中国産自動車は5倍近く増えたが、輸出が倍増した国のうちの4割ほどは欧州諸国で、欧州が初めてアジアを抜いて中国産自動車の最大の輸出市場となった。そして、ここ3年はサウジアラビア、メキシコ、ベルギー、ロシア、オーストラリア、英国の6カ国が終始、中国産自動車の輸出台数ランキングの上位10位内にランクインしている。
多くの人は中国産自動車の輸出は主にEV車などの新エネルギー車に頼っていると思うかもしれないが、実際はまったく異なる。2023年に中国から輸出された自動車の中で、ガソリン車は75%を占めており、奇瑞汽車(Chery)と上海汽車集団(saicモーター)傘下のMGが上位2位だった。国内のさまざまなEV車はまだ海外市場に本腰を入れていないようだ。もちろん、ここ3年、中国の新エネルギー車は急成長しており、中国自動車成長の主力となりつつある。新エネ車の完成車輸出が輸出全体に占める割合は2020年の7%から2023年は24.5%に上昇し、約4分の1となった。しかも、輸出された新エネ車の平均価格も64%伸びている。
一方、整備された産業チェーンと工業体系に恵まれ、ファーウェイ(華為)のiDVPデジタル自動車開発プラットフォームなど、中国では一連のビッグデータやAI技術が自動車産業に応用され、スマート自動車の開発が新たな進展を見せており、自動車はいつの間にか大型スマート消費電子機器に進化してきた。また、動力電池や電動機などのコア部品の輸出も急成長している。現在、中国が申請した動力電池関連の特許は世界の74%を占めており、2023年の世界の動力電池搭載量トップ10社のうち、6社は中国企業で、国際シェアは6割を上回った。
これについて、日本の一部のベテラン自動車ジャーナリストは理性的な判断を下しており、「現在の中国の自動車開発モデルやグレードアップの進化スピードは、欧米や日韓の従来型製造モデルとは比べものにならない。自国で淘汰された車種を中国の合弁会社に押し付けて協力生産するようなやり方は、もはや通用しない」ということだ
確かに、現在、従来の自動車製造強国の多くは中国と連携して「逆向き」の合弁経営モデルに乗り出している。例えば、アウディは上海汽車と協力してスマート自動車の生産プラットフォームを共同開発し、トヨタ(中国)は中国のスタートアップ企業に投資して「小馬智行(Pony.ai)」という自動運転技術開発のユニコーン企業を立ち上げた。さらに、中国トヨタ最大のR&D拠点「トヨタ自動車研究開発センター(中国)有限会社」は社名を「トヨタ知能電動車研究開発センター(中国)有限会社」に変更し、BYDとの合弁企業を含む現地企業迎え入れて研究開発体制を整え、知能化・電動化の現地開発を加速している。
現在、中国は技術を輸出する側になっているのに、どうやって外国の車をパクるというのだろうか。
もちろん、中国の自動車産業が今日まで発展してきたのは容易なことではない。その歴史はわずか数十年で、欧米や日韓などの自動車強国と比べて、スタートは遅く、基礎は弱く、ベースは薄く、長い低迷期と大きな試練に耐えてきた。中国市場は世界で最も競争が激しい自動車市場で、多くの自動車メーカーやブランドは熾烈な競争を経て生き残り、絶えず自己革命を続けながら進化してきた。例えば、過ぎたばかりの年末年始、中国の自動車メーカーは片時も歩みを止めていない。ファーウェイは2023年12月26日に新型EV車「問界M9」 を発表した。吉利汽車(ジーリー)が設立した新興EVメーカーの極氪汽車(ZEEKR)は翌27日に新型車「極氪007」を発表した。さらに12月28日には中国スマートフォン大手の小米(Xiaomi) が同社初のEV車「SU7」を発表し、2024年1月1日には小鵬汽車(シャオペン)が最新のフラッグシップモデルである高級ミニバン「X9」を発表した。
あらゆる嘲笑や疑いは消費者の選択の前に、最後には雲散霧消するだろう。中国車は前へ、前へ進み、新しい道を切り開く。(CMG日本語部論説員)