15日イラクは新憲法の採択をめぐって国民投票を行い、1500万人もの有権者が投票する予定です。これはイラク政治再建プロセスにおいて大きな出来事です。今回国民投票の結果はどうなるのでしょう。またイラク新憲法は可決されるのでしょうか。北京放送の記者が中国社会科学院のヨーロッパ・アジア・アフリカ研究所の殷コー専門家を取材しました。
このほど、イラクの国内情勢で積極的な動きが現れました。これに先立って、新憲法に断固として抵抗していたスンニ派は、11日シーア派クルド人と会談を行い、実質的な進展を遂げました。少なくとも一つのスンニ派政党は、「メンバーが国民投票で新憲法を支持するよう呼びかける」と示しました。それとともに、もっと多くの有権者の支持を得るため、イラクの他の党派の指導者も、新憲法内容の一部を修正することに同意しました。
このことについて、殷コー研究員は、「これはイラク国民、さらにイラクの政治プロセスに疑問を持っているスンニ派が国の政治再建プロセスについて成功してほしいと言う願いを表した」と話しています。
イラク暫定憲法によりますと、18の州のうち、仮に3つの州では3分の2の有権者が反対するならば、憲法は可決できないと言うことです。殷研究員は、「3分の2が反対することは、すべて反対する意見を持つ人が憲法草案の一部を反対することを意味のではなく、この新憲法自体を反対することを意味している。そうなると、イラクでは再び国民投票を行い、新しい国民議会を選出し、憲法起草委員会を再び設立しなければならない。すべては最初からやり直さなければならない」と説明しました。
殷研究員は、「まもなく行うイラク新憲法をめぐる国民投票の投票率は、80%前後だ」と予測し、「今回の投票は国の憲法に関わるので投票率は今年初めに行われた暫定国民議会選挙の投票率より高いはずだ。治安情勢から見ても、今の治安状況は今年初めの頃よりずっと安定している。このことから、投票率は80%前後、またこの数字を超える可能性もある」と分析しています。
憲法を採択する意義について、殷研究員は、「採択した後、イラク国内の政治状況は正常になる。すべてのイラク国民がこの憲法を守るようになる。イラク国民は国民投票で自分の利益を代表する憲法を採択する。このことはイラク人が自己管理し、自国を守り、社会の良好な治安状況を維持することに重要な役割を果たすだろう」と評価しています。
殷研究員は、また「未来に目を向けて、国際社会はイラクの安定を希望する。イラクの安定は周辺地域の安定や世界情勢の安定さらに中東地域という世界でもっとも大きな石油輸出地域の安定にも役立つ」と指摘しました。
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