イランのアハマディネジャド大統領はこのほど、第60回国連総会で発言した際、イラン核問題の解決に一連の提案を出しました。その中で最も注目されるのは海外企業が、イランのウラン濃縮計画に参加することです。これによって、核計画の透明性は更に保証されます。18日、アハマディネジャド大統領はテヘランで「これらの一連の提案は、核問題の順調な解決に希望をもたらした」と表明しましたが、アメリカとEU・欧州連合は新提案に失望しています。EUを代表するイギリス、フランスとドイツは既にイラン核問題を安保理に提案することにしました。
アハマディネジャド大統領は、イランがウラン濃縮計画の実施を準備する時、他の国の私企業と公営部門で"真面目なパートナー関係"を作ると提案しました。また、アハマディネジャド大統領は、南アフリカをイラン核問題解決の協議に参加させることを提案しました。更に、アハマディネジャド大統領は、世界の核軍縮で実施可能なシステムと戦略を提案すると共に、中東の非核兵器地域の設立に具体的な提案を出すため、専門的委員会を作るよう国連に呼びかけました。
この新提案は国際原子力機関理事会の開催直前に、EUとアメリカがイラン核問題を安保理に提出すると脅迫している背景の下で出されたものです。これはアハマディネジャド大統領が就任した後、イラン新政府が核問題の解決構想を変える必然的結果となりました。この新しい構想の核心はあらゆる代価を支払い、イランの核活動の自由を守ることにあります。
分析家は「国内の大きな社会基礎に基づき、イランは核問題で強硬になってきた。イランの国民はこの問題で強い民族意識を表し、党派や、年齢を問わず、イランが核活動を放棄することがないことで国民が一致に達した」と見ています。1979年のイスラム革命以来、イラン全体がこんなに団結していることは、今回が初めてだとのことです。
アハマディネジャド大統領が就任した後、イランが核問題における最初の対策はイランの核活動を公正的に世界に訴えることです。イランは、平和の目的で展開したウラン濃縮活動は「核兵器不拡散条約」に違反していないと再三表明すると共に、「核問題を安保理に提案することを怖れず、アメリカが発動可能な軍事活動にも怖くない」と表しました。実は、原油価格が高騰している時、イランに対する制裁が安保理で順調に採択されることは難しく、アメリカがイラク問題に陥った困難で、他国への軍事的打撃の可能性も現在は小さいということはイランがよく分かっています。
イランの第二の対策は、ロハニ元核問題協議代表を変えて強硬派のラリージャーニー氏を任命することです。それから、EUが核協議での重要度とイランの地位を改善するために、イランは核協議の参加国を拡大し、ロシアや、中国、インドなどの国の参加を呼びかけました。ヨーロッパのメディアは「新提案の中には、海外の会社をイラン濃縮計画に招くという内容は、原則を堅持すると共に、形式上での柔軟性を表している。これは、欧米の不満を招いた。また、提案は核拡散にチャンスを与えることで、更に欧米の配慮を呼び起した」と見ています。
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