イラン最高安全保障委員会のラリジャニ事務局長は25日、イラン国営テレビのインタビューに応じ、イランはイギリス、フランス、ドイツのEU3カ国以外の欧州諸国や非同盟諸国などのIAEA国際原子力機関の加盟国とも核交渉を行いたいとの考えを示しました。ヨーロッパのマスコミは「これはイランで新しい大統領が就任した後、その核問題解決の新提案の一部である。イランはこれからもより完璧な提案を提出するだろう」としています。
現在、EUを代表とし、イランと核交渉を行っているイギリス、フランス、ドイツ3ヶ国はこのほど守勢に立たされ、このほど、8月31日開催予定の核交渉を中止せざるを得ません。今のところ発表された内容から見れば、イラン側の考えは変わっており、フランス、イギリス、ドイツ3ヶ国だけに限らず、交渉相手国の拡大を求めていることが分かりました。
ところが、イランはなぜ交渉相手国の拡大を求めているのでしょうか。イラン新政権はこの二年間、EU3ヶ国との交渉が失敗したと見ています。3ヶ国はイラン核問題の平和解決を主張していますが、その最終的な目標はアメリカと同じだと見られています。イランはこの3ヶ国がアメリカの圧力に屈し、核交渉が難航していると見ています。
核問題についてのイラン側の目的ははっきりしており、イランは核兵器の開発と生産に興味を持っていないと示しましたが、原子炉燃料を自力で生産することを求めているので、ウラン濃縮開発計画を廃棄することはありません。また、この二年間、EU3ヶ国と交渉した経験によって、イランはこの3ヶ国と交渉し続けるとしても、イランの目標が実現することができないと分かりました。しかし、核拡散防止体制を維持する面で、IAEA理事会の多数の発展途上国は外交ルールと平和交渉によって解決することを主張し、とりわけ、武力の脅威に反対しています。この2年間、これらの国の反対によって、西側諸国が提出したイランに対する厳しい非難協議が理事会で採択されませんでした。一部の国は技術的に言うと、イランはIAEAの監督の下でウラン濃縮活動を再開するとしても、「核拡散防止条約」に違反することではないと見ています。この他、IAEA・理事会の核大国・ロシアもイランの原子力発電計画を支持しています。
つまり、イラン新政権は交渉相手国をIAEAのすべての加盟国まで拡大すれば、イランが理事会内の複雑な矛盾を利用し、融通をきかす余地も拡大することができると見られています。
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