先日のことでございます。
小間の使い事がございました私は、娘を連れて日本語部のオフィスに参りました。
親の私が申しますのも何ですが、娘は些か騒々しい性分と申しますか、口は達者、動きは活発といったどうにも落ち着きようの無い小共でございますもので、皆様にご迷惑をおかけしやしないかと内心気が気でありませんでした。
しかしながら半刻も時が過ぎると私もすっかり娘のことを忘れ、業務に没頭しておりました。
しかしはたと気が付いたのでございます。
…あやしい。
これはあやしい。
小供が静かなときほど一抹の不安を感じるのは、私だけでございましょうか?
急いであたりを見回すと、こんなものが目に飛び込んで来たのでございます。
白板(ホワイトボード)に向かって一心不乱に絵を描く娘。
中国の現地幼稚園に通う娘でございますから、絵柄もチャイナチックになるかと思いきや、意外とそうでもないようです。
かといってジャパネスクな雰囲気も無く。
一体この感性はどこからやってきたのでございましょうね。
つい最近まで、人に非ずモノを描いていたことを考えると、娘も全く成長したものです。
――年年歳歳花相似、
歳歳年年人不同。
劉希夷――
(中原美鈴)
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