先日、SMAPの海外初公演が北京の工人体育館で行われ、4万人のファンを集めて成功裏に終わりました。私もこの公演に参加して声援を送った一人ですが、熱狂的な中国人ファンの前にはタジタジとなりました。そして、日本文化の中国進出を肌身で感じました。
このような大きな文化進出とまではいきませんが、身近にも結構日本文化を感じる場面があります。今日はそのような北京の地下鉄での体験をオムニバス形式で3篇にわたってお話ししたいと思います。
① 北京にセーラー服?
地下鉄の列車がある駅に着いた時のことです。その駅のホームには日本の女子高生のセーラー服姿があったのです。それも一人で立っていて。一瞬何のことかわからなくなり、ここは日本だったっけなどと考え出す始末です。冷静になりもう一度周囲を見回すと、ここはやはり中国。何とも奇妙なコントラストに度肝を抜かれてしまいました。あとで中国の人に聞いた話しですが、中国でもコスプレが流行っていて、ネットで日本の衣装も買えるとのこと。セーラー服も人気のようですが、地下鉄で見るとは思いも寄りませんでした。
② おやすみなさい~
夜遅く、若者に人気の「西単」という駅に着いた時のことです。帰宅を急ぎ、大勢の若者がその駅で乗ってきました。そして、数名のグループが私の近くで話しています。勿論、中国語で話しているのですが、次の駅に差しかかった頃、その中の女の子が中国語で「私日本語知っているわよ」と言って、日本語で「おやすみなさい~」と言いながら降りて行きました。急に日本語が出てきたので、びっくりしてしまいました。今、中国の若者はネット上で日本のアニメをよく見ています。そして、そのアニメに出てくる日本語を覚えてしまう若者も少なくありません。きっとその子もそこで覚えたのかもしれませんね。
③ ご主人様~!
その日はたまたま運よく列車の座席に座れた時のことです。気持ち良く目を閉じてうとうとしていました。その時です。いきなり日本語で「ご主人様にお伝えします!」と聞こえてきました。え~~!ここはメイドカフェじゃないよね!そうです地下鉄の列車内です。何がどうしたの?ときょろきょろすると隣のお兄さんが携帯を何やら操作しています。なるほど、分かりました。携帯の着信音だったのです。このような着信音もあるのですね。それにしても着信音が日本語で、しかも「ご主人様」とは実に恐れ入りました。
今、中国では着実に日本の文化が進出して来ています。そして身近にも感じるようになって来ました。小さなことですが、それでも毎日の発見が楽しみです。また、新たな発見が集まりましたらご紹介したいと思います。 (小野博民)
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