世界3大国際映画祭と呼ばれるヴェネチア国際映画祭、カンヌ国際映画祭とベルリン国際映画祭は世界の映画界で大きな影響力を持っています。近年、この3大映画祭で中国映画はどんな存在感を見せているのでしょうか。
2011年のヴェネチア国際映画祭では、中国人監督・蔡尚君(ツァイ・シャンジュン)が『人山人海(People Mountain People Sea)』という作品で最優秀監督賞に当たる銀獅子賞を獲得したほか、香港のベテラン女優・葉徳嫻(デニー•イップ)が『桃さんのしあわせ(原題:桃姐)』で最優秀女優賞に輝きました。しかし、それ以降は中国映画はこの3大映画祭とはほぼ「絶縁状態」にあると言われ、12年と13年はいずれも注目される動きがありませんでした。
中国映画の大物監督が14年に新作を引っさげて復帰すると相次いで宣言したことから、新作への期待はもちろん、3大映画祭での賞レースにも関心が集まっています。中国映画は果たして国際的な「カムバック」を果たせるでしょうか?
張芸謀(チャン・イーモウ)監督の新作『帰来(仮:リターン)』
まずは『金陵十三釵(The Flowers of War)』以来2年ぶりの新作を送り出す巨匠の張芸謀(チャン・イーモウ)監督。新作は『金陵十三釵(The Flowers of War)』の原作者・厳歌苓(ゲリン・ヤン)の小説の映像化で『帰来(仮:リターン)』というタイトルです。昨年末にすでに北京でクランクインし、出演者のラインナップも公開しました。主演に抜擢されたのは、中国のトップ女優・鞏俐(コン・リー)と実力派俳優の陳道明(チェン・ダオミン)です。数々の名作を生み出した名コンビ張芸謀(チャン・イーモウ)&鞏俐(コン・リー)が『王妃の紋章(原題:満城尽帯黄金甲)』以来7年ぶりに再びタッグを組むことで話題を呼んでいます。鞏俐(コン・リー)は1987年の『紅いコーリャン』をはじめ、『紅夢』『秋菊(しゅうぎく)の物語』といった多くのチャン・イーモウ作品に出演してきましたが、息の合った二人が今度はどのような作品を届けてくれるか楽しみです。
これまでの統計では、ベルリン国際映画祭コンペティションにノミネートされた中国語映画は計47作、カンヌでは39作、ヴェネチアでは39作となっています。特に巨匠のノミネートが多いことから、今年チャン監督のノミネートが一番期待されています。外国メディアではすでに優勝候補とまで囁かれています。
ほかにも台湾の巨匠・侯孝賢(ホウ・シャオシェン)監督の新作『聶隠娘』、国際映画祭の常連・婁燁(ロウ・イエ)監督の新作『推拿』、そして陳凱歌(チェン・カイコー)監督の新作『道士下山』にも大きく期待がかかっています。
一方、国際的に注目を集める中国女優陣からも目が離せません。
鞏俐(コン・リー) 湯唯(タン・ウェイ))
至難の作品賞受賞を尻目に、中国の女優たちは好成績を収めています。3大映画祭ではこれまで女優としての最高峰に上り詰めたのが4人。それは2004年アサヤス監督の『クリーン』で主演を務め第57回カンヌ国際映画祭で女優賞を獲得した香港の張曼玉(マギー・チャン)、95年の『女人、四十。』でベルリン国際映画祭で女優賞を獲得した蕭芳芳(ジョセフィン・シャオ)、1992年には、『秋菊の物語(原題:秋菊打官司)』でヴェネツィア国際映画祭最優秀主演女優賞に輝いた鞏俐(コン・リー)と香港の葉徳嫻(デニー•イップ)。ほかに、受賞を逃しつつも『色、戒(ラスト・コーション)』で完璧な演技を披露した湯唯(タン・ウェイ)も国際的に絶賛されています。
今年は、鞏俐(コン・リー)や湯唯(タン・ウェイ)の新作も公開されるので、どんな演技を見せてくれるかも楽しみです。
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