2010年の東京国際映画祭で最優秀芸術貢献賞と最優秀主演女優賞（ファン・ビンビン）を獲得し、話題を呼んだ中国映画『ブッダ・マウンテン　希望と祈りの旅』が遂に9月28日からユーロスペース、K's cinemaをはじめ日本全国で順次公開されることになりました。

　これは、息子を失い絶望した元京劇女優と、彼女の家を間借りすることになった将来の見えない若者3人が、四川大地震で崩壊した仏像の修復作業を通して心の安らぎを得ていく姿を描いたヒューマンストーリーです。中国山東省出身の女性監督・李玉（リー・ユー）の話題作で2011年3月に中国全土で劇場公開されていました。主演は中国を代表する人気女優の範氷氷（ファン・ビンビン）と映画監督として活躍中の張艾嘉（シルヴィア・チャン）、台湾のイケメン俳優・陳柏霖（チェン･ボーリン）。

　この作品で国際映画祭で初めて主演女優賞を受賞した中国の人気女優・範氷氷（ファン・ビンビン）は、この作品で反抗期の女子生徒という風変わりな役どころに挑戦し、型破りな演技を披露しています。また、映画の中で範氷氷（ファン・ビンビン）演じる女子生徒が台湾の人気歌手范曉萱（メイビス・ファン）の名曲『戦（たたかい）』をクラブで熱唱するシーンはとても印象的で、東京国際映画祭の審査員にも絶賛されたそうです。　

　映画で範氷氷（ファン・ビンビン）と共演しているのは、台湾のイケメン俳優・陳柏霖（チェン･ボーリン）。日本のドラマ『東京タワー 〜オカンとボクと、時々、オトン〜』や『シュガー&スパイス 風味絶佳』『暗いところで待ち合わせ』といった日本映画にも出演したため、おなじみの台湾の俳優かもしれません。彼の映画デビュー作『藍色夏恋』は、カンヌ国際映画祭、東京国際映画祭などにも出品され、国際的に好評です。初共演を果たした範氷氷（ファン・ビンビン）と陳柏霖（チェン･ボーリン）の演技合戦にも注目が集まっているところです。 　一方、「大家」役を演じているのは実力派女優シルヴィア・チャン（張艾嘉）。台湾出身で香港で活躍する女優で、近年は監督業に専念しています。監督代表作には、『君のいた永遠(とき)　原題：心動』 (1999)、『20.30.40の恋　原題：20　30　40』 (2004)がありますが、『観音山（ブッダ・マウンテン）』で久々の女優復帰。

　日本上映に合わせて、『ブッダ・マウンテン　希望と祈りの旅』の日本版予告編がこのほど公開されました。（ミン・イヒョウ）