香港出身のトップシンガー・陳奕迅（イーソン・チャン）は1974年7月27日生まれ。12歳で渡英、中学、高校、大学は英国で過ごしました。1995年の夏休みに帰国し、TVB主催のオーディションで優勝したことをきっかけに芸能界に入りました。今や香港のトップシンガーとして大陸、台湾、マレーシア等でも人気を博しています。米『タイムズ』誌では、香港の音楽スタイルをリードする人物として評され、許冠傑 （サミュエル・ホイ）や張學友（ジャッキー・チョン）と並ぶ3人目の「歌神」と呼ばれています。またアジア太平洋地域の各音楽賞を数多く受賞しています。日本でも、2008年日本MTV音楽賞でBuzzAsia賞を受賞しました。近年は俳優としても大活躍しています。代表作には、2003年の『エンター・ザ・フェニックス』（原題：大佬愛美麗）や2007年の『兄弟』、『破事兒（些細なこと）』、２０１０年の『恋人のディスクール（原題：戀人絮語）』、2011年の『Mr.&Mrs.シングル（隱婚男女）』などがあります。そして、陳奕迅（イーソン・チャン）は今年、湖南衛星テレビの最新リアリティ番組『中国最強音（the X factor）』に出演することで、再び注目を浴びています。

【お勧め曲】

　①「十年（ディケード）」：陳奕迅（イーソン・チャン）の最大のヒットとも言える曲。２００３年にリリースされ、今年でちょうど「１０年」を迎えました。１０年経った今でもカラオケ･ランキングのトップに君臨し、国民的ポップソングといっても過言ではありません。香港の作詞家・林夕（アルバート・ラム）が書き下ろした歌詞も感動的で、恋愛だけでなくあらゆる人生経験にピッタリ合うテーマも聞く人の心を癒してくれます。

　②「K歌之王（キング・オブ・カラオケ）」：２００１年の大ヒット曲。カラオケで歌を通じて告白しようとする男の子が、好きな女の子にその気持ちを理解してもらえなかったという、ストーリー仕立ての失恋ソングです。歌詞にはさまざまなヒット曲の曲名を絶妙に織り交ぜ、主人公の複雑な心境をユニークに表現しています。歌詞を手がけたのは、香港随一の作詞家・林夕（アルバート・ラム）です。

　③「你的背包（君のリュックサック）」：2002年のヒット曲。"昔分かれた恋人との唯一のつながりは、恋人からもらった一つのリュックサック。このリュックサックには懐かしい日々と恋人への未練がいっぱい詰め込まれている"という内容の曲で、過去の恋を振り返る悲しいラブソングです。イーソンの表情豊かな歌声が印象的な一曲です。

　④「因為愛情（愛のために）」：2011年の話題作『將愛情進行到底（Eternal Moment）』の主題歌で、中華圏の歌姫・王菲（フェイ・ウォン）と初デュエットしたバラードナンバー。2大シンガーの夢のコラボで曲は映画以上にロングヒットしています。リリース翌年のCCTV年越番組「春晩」でも披露され、近年の男女デュエットの定番にもなっています。

　⑤「愛情転移（LOVE TRANSFER）」：2007年の話題のラブコメディ『愛情呼叫転移（CALL FOR LOVE）』の主題歌。運命の愛をテーマにしたこのラブソングは2003年の「十年（ディケード）」に次ぐ大ヒットで、イーソンのもう一つの代表曲といえます。ちなみにこの曲の広東語バージョンは何故か「富士山下（富士山の下）」というタイトルなんですが、日本で起こったラブストーリーを綴ったようですね。